研究課題/領域番号 |
21300211
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
河本 健一郎 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (80367656)
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研究分担者 |
田淵 昭雄 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (90122431)
和氣 典二 神奈川大学, 視科学研究所, 客員教授 (20125818)
古莊 雅生 神戸大学, 大学院・海事科学研究科, 教授 (80243335)
向井 希宏 中京大学, 心理学部, 教授 (10182065)
和氣 洋美 神奈川大学, 人間科学部, 教授 (80122951)
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キーワード | 色覚 / 視覚的注意 / 認知科学 / 臨床 / 海上安全 / 加齢 / 視環境 / 視覚補助具 |
研究概要 |
1.年齢,視覚障害に依存した視覚的注意能力の心理物理的評価(基礎領域) 視覚障害の程度と課題の遂行能力に関連し,高齢者,白内障患者の二重課題遂行時のコントラスト感度特性を測定した.また,視野と視覚情報受容の関連を検討するため,視覚制限下における触錯覚の生起について測定を行った.2.観察者に依存した色の認知特性(基礎領域) 色の認知における色覚異常の影響をカテゴリカル色知覚より検討した.照度変化の影響が正常者よりも強いことを確認した.また眼科における色覚検査の結果と色の分類特性についての検討を行い,色覚条項との整合性の検討に着手した. 3.視覚的注意能力と作業パフォーマンスの関係の評価(応用領域,領域横断) 4.作業に必要な色覚能力の検討(応用領域,領域横断) 船舶視環境における海面・天空輝度と太陽高度の関係のレビューを発表した.また関連して船舶における視環境の調査を行い,海上視認物の色差について検討した. 船舶業務従事者(水先人,海技士(航海))への自覚的な視機能に関するアンケートを実施し,40歳代以上で,眼科,視覚基礎から推測される視機能低下の影響が生じていることを示唆する結果を得た. 船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約(STCW条約)における国際照明委員会の交通に対する色覚要件の国際勧告(CIE143)批准による,色覚要件変更の妥当性について検討し,その一部内容を国際海事機関におけるSTW小委員会でフィードバックを行った. 視覚的注意に関連した船舶における機関制御卓のユーザビリティーについて,アンケートによる調査を行った. 5.新しい検査法の提案(臨床領域,領域横断) 知覚確率曲線を用いた視力検査法の評価を行い,既存の測定法より精度,安定性が高い結果が得られることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施計画に挙げた5つのテーマについて,それぞれ測定,検討に着手しており,基礎,応用,臨床のそれぞれの領域における成果を得ている.また,応用領域,臨床領域においては,計画に含まれなかったテーマについても,副次的な成果を得ている.最終的な目的となる新たな検査法については,結論には達していないが,これは最終年度における検討課題である.
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今後の研究の推進方策 |
各領域の結果を取りまとめ,新たな検査法提案に向けた結論を得る.当初の計画で示した,認知機能である視覚的注意と色知覚に焦点を当てた検査法とともに,研究を進める上で浮上した,視機能評価のための既存の眼科的検査の改良も範疇に含めた内容も検討する.また,領域ごとの成果をより向上させるため,視覚的認知,視環境評価,視機能評価,視覚補助具,業務従事における検査法等について,各分担者,連携研究者によりとりまとめを行う.
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