研究分担者 |
井上 喜雄 高知工科大学, 工学部, 教授 (50299369)
石田 健司 高知大学, 大学病院, 准教授 (10274367)
片岡 万里 高知大学, 医学部, 教授 (40273792)
藤江 正克 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20339716)
江丸 貴紀 北海道大学, 工学研究科, 准教授 (30440952)
|
研究概要 |
本研究では,屋内で高齢者ができるかぎり自分の足で歩き,自立生活の動作を支援するインテリジェント歩行支援車を開発している.H21年では,アイデアやそれぞれの要素の実現可能性について試験で検証することを目的として,具体的に下記の3課題を実施した. 課題1:狭いスペースへの対応.広い空間で行われる歩行訓練と違って,狭い屋内で高齢者の自立生活を支援する目的のため,キー技術としてよりコンパクトな低速・高出力のオムニホイールを新たに開発する.これまでに著者らにより開発していた全方向移動ロボット用のオムニホイール技術を更なる改善をして,狭い自宅など屋内使用に適応できるコンパクトなオムニホイールの新規開発に成功した. 課題2:立ち座り動作,異なる身長への対応.異なる身長の使用者でも移動やトイレ・椅子・台所などでの立ち座り動作に対応するために,本体の高さを一定の範囲では自由自在に高さ可変にするパラレル・メカニズムを開発した.このメカニズムを用いて,重心を不安を感じさせず自然に動かすことを確保することができる. 課題3:人の特性を考慮する制御法の開発.摩擦力の方向依存性と高齢者移動時の重心のずれから生じる強い非線形時変特性を対処できる制御理論は無いため,インテリジェント歩行支援車の構造特徴を生かした非線形適応制御法を独自に開発した.同時に,高速度化を追及せず,高齢者の特徴を十二分考慮しなければならないために,従来の制御工学の思想に,軌道計画すなわち目標値計画の考え方を入れる,トータルシステムの視点から制御システムを構築した.
|