研究分担者 |
井上 喜雄 高知工科大学, 工学部, 教授 (50299369)
石田 健司 高知大学, 病院, 準教授 (10274367)
片岡 万里 高知大学, 医学部, 教授 (40273792)
藤江 正克 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20339716)
江丸 貴紀 北海道大学, 工学研究科, 準教授 (30440952)
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研究概要 |
平成22年では,まず前年度開発した要素技術を用いて,トータルシステムとしてのインテリジェント歩行支援車の試験機を試作した.次に試験機に,運動能力の個人差への対処法と人間意図の理解法と経路・軌道計画法を開発・実装して,システムとしての機能および個々の性能指標を向上させるために実験を繰り返していた.それぞれ研究課題の具体的な成果は以下のとおりである. 運動能力の個人差への対処: 個人差に応じて,制御器のパラメータを調整することが必要である.本研究では,ニューラルネットワークを用いた学習アルゴリズムに基づいて,最適な制御パラメータの推定法を開発した.数値実験により有用性があることを確認した. 人間意思の理解: 力覚センサーをそれぞれ肘掛フレーム中四箇所に設けることで,必要な支持力,人間の意思(立ち座り,移動,方向,目的地)を推定することにした.本手法は,高齢者に必要以上な操作などで余計な負担をかけることはなく,方向の意図を推定することができる.推定においては,分離規則を満たす距離型推論法を採用している.数値実験および実機による実験で,有用性を示した. 経路計画,軌道計画: 経路計画法,軌道計画法は従来の最短経路計画法,消費エネルギー最小軌道計画法を使えないため,本研究では,経路計画では曲率半径をパラメータ,軌道計画では軌道加速をパラメータとして,パラメータの調整により,多様な経路および軌道を生成できることを確認した.よって,曲率半径と加速度パターンの設定により,高齢者の身体特性を反映することができる. 試作機の開発: 本体上部にはやや振動問題があるが,メカニズム的には予定の機能を実現できた.以上の課題を完成すれば,上記の方法を試作機に実装して仮想現実環境において,メカニズム,制御法の実用可能性があることを確認した.
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