体育の授業の質保証は、国際的な関心事となっている。本課題では、小中学校のゴール型、ネット型、ベースボール型の授業で期待できるゲームパフォーマンスのスタンダードの開発に取り組んだ。分析カテゴリーは、日本の学習指導要領の記述を踏まえて作成した。また、分析に際しては観察者間の一致率を80%以上とした。 ゴール型では、中学生に期待する成功率を70%とした場合、パスやパスの状況判断、サポートについては、男女ともにそれを達成、あるいはおおむね達成することが可能であった。しかし、シュートやキープに関しては、その達成が困難であった。また、得点に関連したサポートやパスについても、70%を達成することは、困難であった。 ネット型ではレシーブの動作やトスに関する動作、アタックに関する動作等は、70%の基準を超えた。しかし、アタカーの打ちやすいトスを上げることは、70%を達達成することは困難であった。 ベースボール型では中学1年生では判断に関しては、おおむねの生徒が70%の達成基準を超えることが可能であった。しかし、捕球や送球、バックアップ等のボールを持たない時の動きやランニングに関しては、70%を達成することは困難であった。 総じて、ゲーム中の試行数や成功数を増やすことを意図した修正されたゲームを活用することや単元時数確保の必要性が示唆された。また、個々のゲームパフォーマンスに応じて期待するパフォーマンススタンダードを設定する必要性も示唆された。
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