研究課題/領域番号 |
21300221
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
木原 成一郎 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (20214851)
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研究分担者 |
松田 泰定 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10033656)
徳永 隆治 安田女子大学, 文学部, 教授 (60310843)
林 俊雄 梅光学院大学, 子ども学部, 准教授 (50441621)
岩田 昌太郎 広島大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (50433090)
村井 潤 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教 (90610890)
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キーワード | 体育教師 / 現職教育 / 力量形成 / 学級担任 / 技術的実践 / 反省的実践 / 部活動指導 / 生徒指導 |
研究概要 |
本研究の目的は,義務教育段階における体育教師の継続的な「力量」形成を保障する効果的な現職教育のプログラムを開発することである。 本年は、教育センター主催や学区単位で組織された体育授業に関する現職研修に自主的に参加した小学校授業に関する現職研修での質問誌調査を行った。この調査は主に徳永と林が担当した。また、小学校学級担任教師の事例に対して,現職研修への参加と半構造化インタビューを1年間通して,各学期で継続的に行った。この事例研究は主に、木原と村井が担当した。また、中学校教員を対象とする調査研究を岩田が担当して行った。さらに、本年度は岩田がアメリカの現地調査を行った。3年間を通した研究の結果についてイギリスから招聘したDr.Len Almond氏に意見をいただき以下の成果にまとめた。 第1に、小学校の教師が体育授業の研修に求めている「力量」は、運動を教えることに関する「技術指導」と、一人ひとりの子どもに対して適切に指導や評価を行うことに関する「子ども把握」、そして子ども全体に対する「マネジメント」であった。第2に、すべての「力量」について、体育主任を経験している教員は相対的に必要度が低い傾向がみられ、反対に若い教員や女性の教員が多く含まれる集団は必要度が高い傾向がみられた。そこから、体育主任や研究教科で体育を担当している教員が若い教員や女性の教員に対して積極的に情報の伝達・共有化を行うことが、「力量」形成に有効な方法として示唆された。第3に、小学校の教師が体育授業に必要な「力量」の形成に関する情報を、主に職場の「同僚」から、次に「文献」や「HP」を通して入手している事実が明らかとなった。 これらの事実から、様々な教師が体育授業に関する「力量」を形成するために、体育指導に積極的に関与する立場にある教師が中心となり、学校内において情報を伝達し共有していく校内研修を組織化する現職教育プログラムを開発した。また、体育を研究教科として担っている教師は、積極的に学校外に「力量」を形成する場を求めていた。そこで、校内研修の指導者を養成するために、体育指導に積極的に関与している教師を学校外の研修や研究会に参加させる現職教育プログラムを開発した。
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