研究課題/領域番号 |
21300247
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
豊島 裕子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70328342)
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研究分担者 |
木村 直史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80138742)
遠藤 陽一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20158786)
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キーワード | 社会医学 / ストレス / 脳心血管系疾患 / ストレス関連疾患 / 医療職 / 心電図 |
研究概要 |
医療職のストレスに関する研究の初年度は、内視鏡医を対象に、術中のストレスを交感神経機能を指標に評価し、手技に伴い交感神経機能が亢進し、手技中に脳血管障害・心血管障害のリスクが高まることを報告した。 研究2年目の本年度は、前年度と同様にホルタ心電図で記録した就労中の心電図のRR間隔のスペクトル解析による交感神経機能評価法で、病棟看護師のストレスを評価した。対象は、当大学のある病棟に勤務する看護師20人。就労時間の全RR間隔のタコグラムを2分刻みで周波数解析を行ない、低周波成分LF(0.04 to 0.15Hz)と高周波成分(0.15 to 0.4Hz)の比率LF/HF ratioを交感神経指標として用いた。簡単に記録できる形に開発した業務日誌に、1日の業務内容を記録し、1日のLF/HF ratioの変動と比較し、いかなる業務中に交感神経機能が亢進し、脳血管障害・心血管障害のリスクが高まるかを検討した。 交感神経機能が最も高かったのは、死亡患者の送り出しのときであった。続いてベッドサイドでの侵襲的検査を行なう医師の介助、抗がん剤の点滴準備など、患者の病態に直結する業務時に交感神経機能が亢進することがわかり、これら業務が続くと、看護師の上記疾患のリスクが高まることが示唆された。今回の調査の範囲内では、対患者、対上司など人間関係のトラブルを経験した被験者はいず、対人関係のストレスを評価することはできなかった。
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