研究課題/領域番号 |
21300251
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
宮田 浩文 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90190793)
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研究分担者 |
和田 直己 山口大学, 農学部, 教授 (20210982)
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キーワード | 神経筋接合部 / サテライトセル / 加齢変化 / シナプス核 |
研究概要 |
神経筋接合部周辺のTrophic factorは、アセチルコリンレセプターの発現に対する重要な刺激となることが知られているが、発現調節のキーとなるシナプス核の情報はほとんどない。そこで本研究は、老齢期のアセチルコリンレセプターの発現(運動終板の形状)と神経筋接合部直下にあるシナプス核および周辺の筋核、さらにはサテライトセルの量的関係を明らかにすることを目的とする。23年度は以下の結果が得られた。 1. 30ヵ月齢の超高齢ラットから横隔膜と胸鎖乳突筋の単一筋線維を取り出し、アセチルコリンレセプターのアンタゴニストを用いて運動終板をラベルした。さらに、PAX-7および核に対する、免疫組織化学的染色を行い、サテライトセルおよび筋核をラベルした。その結果、30ヵ月齢においてはエンドプレートの空洞化が進行し、22カ月齢まで増加し続けたエンドプレート体積が減少した。また、エンドプレート核は30ヵ月齢ではさらに増加し、その結果核1個当たりのエンドプレート体積は統計的に有意に減少した。エンドプレート核にはPAX-7を発現する核は認められなかった。 2. エンドプレートの代表的な調節因子であるMuSK、Shp2のmRNAの発現レベルをリアルタイムRT-PCRを用いて調べた。その結果、横隔膜は胸鎖乳突筋よりも発現量が高いこと、発育期に比べると、22か月あるいは30カ月齢における発現量は減少していることなどが明らかとなった。しかし、22カ月齢と30カ月齢に有意な差は認められなかった。 エンドプレート核1個当たりのエンドプレート体積の減少は、エンドプレート空洞化の直接的な原因となる可能性が示唆されたが、MuSK mRNA発現量とエンドプレートの形態的変化との関連性は見いだせなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験および学会発表はほぼ予定通りであるが、論文作成が少々遅れ気味である。
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今後の研究の推進方策 |
実験は当初の予定通り進めれば問題ない。論文作成を急ぎたい。
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