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2012 年度 実績報告書

神経筋接合部におけるシナプス核の加齢変化と可塑性

研究課題

研究課題/領域番号 21300251
研究機関山口大学

研究代表者

宮田 浩文  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90190793)

研究分担者 和田 直己  山口大学, 獣医学部, 教授 (20210982)
研究期間 (年度) 2009-04-01 – 2014-03-31
キーワードエンドプレート / シナプス核 / 加齢 / MuSK / Shp2
研究概要

アセチルコリンレセプター(AChR)の発現量は、エンドプレート周辺に局在するエンドプレート核によって調節されている。近年、Muscle Specific Kinase(MuSK)が AChRの凝集を誘導していること、tyrosine phosphatase with two SH2 domains(Shp2)がMuSKに対して拮抗的に働くことが示された。本研究では、出生後ラットから超高齢ラットまでを用い、加齢に伴う神経筋接合部の形態とこれらの発現調節因子の変化について調べた。
25週齢までの発育段階においては、両筋とも筋線維直径、エンドプレート体積・表面積、エンドプレート核数が急増し、エンドプレート核ドメインはほぼ一定の値に保たれ、その後90週齢(生存率70%)まではすべての測定項目が徐々に増大した。130週齢(生存率25%)までの老齢期においては、両筋ともエンドプレートの断片化が顕著になり、エンドプレート体積、エンドプレート核数に多少の変動が認められたが、エンドプレート核ドメインは比較的一定の値を保った。MuSKmRNAの発現量は25週齢までの発育段階で急激な減少を示し、その後は130週齢まで一定の値を示した。一方、Shp2mRNAの発現量は90週齢まで顕著な変化を示さなかったが、130週齢にかけて増加が認められた。両mRNAともDIAがSTMに比べ有意に高い発現量を示した。
以上の結果から、1)発育期においては、MuSKmRNAの高発現に伴いAChRが凝集、エンドプレートの拡大が生じる。2)老齢期においては、Shp2mRNAの高い発現によりAChRの凝集が抑制され、エンドプレートの断片化が進行する。3)活動量の多いDIAは、STMに比べMuSKおよびShp2のmRNA発現量が高く、AChRのターンオーバーが速い可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1~2年目に確立した実験方法に従い、2~4年目にエンドプレートの加齢に伴う形態変化および調節因子のmRNA発現レベルの変化について実験を行った。2年半の超高齢ラットを用いたため、ここまでに4年の年月を要したが、予定されていた実験はほぼ終了した。今年度は学会発表および論文作成に全力を尽くしたい。

今後の研究の推進方策

学会発表は、6月のアメリカスポーツ医学会および9月の体力医学会で行う予定である。論文作成に関しては、現在進行中であるが、1,2か月のうちには国際誌に投稿できる予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Muscle satellite cells are activated after exercise to exhaustion in Thoroughbred horses2013

    • 著者名/発表者名
      Kawai Minako
    • 雑誌名

      Equine Veterinary Journal

      巻: 45(3) ページ: 167-173

    • DOI

      10.1111/evj.12010.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Age and activity-related changes in the respiratory motor system2013

    • 著者名/発表者名
      Miyata Hirofumi
    • 雑誌名

      J Phys Fitness Sports Med

      巻: 2(1) ページ: 77-83

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Age-related changes in satellite cell proliferation by compensatory activation in rat diaphragm muscles2012

    • 著者名/発表者名
      Kawai Minako
    • 雑誌名

      Biomedical research

      巻: 33 ページ: 167-173

    • 査読あり
  • [学会発表] 超高齢ラットにおける神経筋接合部の形態変化とその分子メカニズム2012

    • 著者名/発表者名
      田中麻衣子
    • 学会等名
      日本体力医学会 中国四国地方会
    • 発表場所
      吉備国際大学(高梁市)
    • 年月日
      20121124-20121125
  • [学会発表] ラット発育期におけるエンドプレート核数およびMuSK発現の変化2012

    • 著者名/発表者名
      宮田 浩文
    • 学会等名
      日本体力医学会
    • 発表場所
      長良川国際会議場(岐阜市)
    • 年月日
      20120914-20120916
  • [学会発表] 発育期ラットにおけるサテライトセルの筋線維内分布2012

    • 著者名/発表者名
      宮田浩文
    • 学会等名
      日本運動生理学会
    • 発表場所
      筑波大学(つくば市)
    • 年月日
      20120728-20120729
  • [学会発表] Developmental Change in Domain Size of Endplate Nucleus in the Rat Diaphragm2012

    • 著者名/発表者名
      Miyata Hirofumi
    • 学会等名
      アメリカスポーツ医学会
    • 発表場所
      サンフランシスココンベンションセンター(USA)
    • 年月日
      20120528-20120601

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公開日: 2014-07-24  

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