研究概要 |
本研究は、加齢により高頻度に発症する生活習慣病やサルコペニアと骨格筋や心臓の局所性ステロイドホルモン合成能の関連性を検討し、アンチ・エイジングのための運動療法に性ステロイドホルモン変動がどのように貢献しているのかを解明することを目的とする。 平成21年では、加齢に伴う骨格筋の局所の性ホルモン産生機構の変化について検討した。対象はオスSDラット(若年群:12ヶ月齢,高齢群:24カ月齢,各群15匹)を用いた。測定組織は、骨格筋(ひふく筋、ヒラメ筋)、心臓、精巣、卵巣とした。測定項目は、組織中ホルモン濃度(testosterone, DHT, DHEA, estradiol)はEIA法により測定した。骨格筋中DHEAおよびDHTレベルは、加齢に伴い明らかに低下した。また、高齢群における一過性運動後の骨格筋中DHEAおよびDHT濃度は明らかに増大した。一方、骨格筋中testosteroneおよびestradiolレベルに変化は認められなかった。加齢に伴い骨格筋局所のステロイドホルモンレベルは低下し、運動は加齢に伴う骨格筋局所の性ホルモン合成を活性化させる可能性が示唆された。
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