研究課題/領域番号 |
21300255
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
河盛 隆造 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (00116021)
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研究分担者 |
田村 好史 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80420834)
綿田 裕孝 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60343480)
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キーワード | 骨格筋細胞内脂質 / インスリン抵抗性 / 身体活動 / アディポネクチン |
研究概要 |
(目的)日本人の2型糖尿病の特徴は非肥満であるが、その病態生理はほとんど分かっていない。この点に関して、骨格筋細胞内脂質(IMCL)の蓄積が肥満とは独立したインスリン抵抗性規定因子であることが示唆されている。疫学的に脂肪摂取量と2型糖尿病患者の増加は密接に関連していることから、高脂肪負荷によるIMCLの増加の程度を「脂肪負荷感受性」と定義し、脂肪負荷感受性が高いことが、2型糖尿病発症のリスクになると仮説を立てた。本研究においては、3日間の高脂肪食負荷がIMCLとインスリン感受性に与える影響とその規定する因子について考察するための検討を行った。 (方法)対象者は非肥満の健常者37名。3日間の普通食摂取後に、3日間の高脂肪食を摂取させ、それぞれの3日間の食事の後に空腹時の条件下で、proton-MRSにより、前脛骨筋(TA)、ヒラメ筋(SOL)の骨格筋細胞内脂質を測定、正常血糖高インスリンクランプ検査によりインスリン感受性(GIR)の測定を行った。 (結果)普通脂肪食後に比較し、高脂肪食後では前脛骨筋のIMCL(TA-IMCL)は1.3倍有意に増加した(P<0.01)。同様にヒラメ筋におけるIMCL(SOL-IMCL)も1.2倍の有意な増加を認めた(P<0.01)。またGIRについては、減少する傾向を認めた(P=0.10)。SOL-IMCLの変化(脂肪負荷感受性)と関連するベースラインのパラメーターを検索したところ、高分子型アディポネクチンの血中濃度と負の相関を示した(r=-0.36,P<0.05)。また、普段運動習慣の無い対象者では、身体活動量とヒラメ筋、前脛骨筋のIMCLの変化の間に有意な負の相関を認めた。 (考察)これらの結果から、脂肪負荷感受性は明確に存在し、それが高脂肪食によるインスリン抵抗性のなりやすさに関わっていることが示唆された。また、その規定因子として高分子型アディポネクチン、身体活動量が関与している可能性が示唆された。現在、骨格筋での遺伝子発現について解析し、脂肪負荷感受性に関連する遺伝子を抽出している。
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