研究概要 |
1.実験結果についてAmerican College of Sports Medicine,The 58 Annual Meeting,Denver,Colorado,U.S.AおよびInternational Society of Exercise Immunology,The 10^<th> Symposium,Oxford,UKで報告した。 2.当該研究期間が後半になったので論文投稿を視野に検討した結果,実験計画を変更した。実験は2009年度実験と同様な実験(慢性運動の再検:N数の拡大と再現性の検討のため)と2010年度の実験結果を詳細解析するためにマウスの運動時のNK細胞の動態について,器官別の検討(人における一過性の運動によるNK細胞の動態にどの器官が関与しているか検討するため)を行った。 慢性運動の再検では大学体育会所属学生の夏休みの合宿を利用し,合宿前,合宿終了時,合宿後の3回の採血を早朝空腹時に行った。結果はNK細胞活性が合宿終了時に低下し(p=0.031),CD56^<dim>(細胞上のDNAM-1の発現が合宿後に低下する傾向が示された。2009年に変化がみられたNKG2D,MKp46には有意な変化はみられず,NKG2A,IL-12Rも変化しなかった。 マウスの実験ではC57B/6マウスを用い,30分間のトレッドミル走(35m/分)を行わせた。マウスから運動前,運動終了直後,30分後,120分後に血液,肺,肝臓,脾臓を採取し,単核細胞を分離して,測定した。その結果,運動中のNK細胞の動員と逆のパターンが脾臓で示された。また,肝臓ではMac-1^<lo>CD27^<lo>の分画の発現が運動後に著しく高くなることが示された。 これらの結果はいずれもこれまでに報告されていない知見であり,運動のNK細胞への影響の解明に寄与すると考えている。
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