研究課題
本年度は、食後の糖・脂質代謝に対する有酸素運動の運動を検討した。インフォームド・コンセントを得た若年健常女性(21.5±0.2歳)で、アポ蛋白質E表現型3/3の者を対象とした。12時間の絶食の後、経口グルコース負荷試験の25分後から30分間の有酸素運動(最大酸素摂取量の50%程度のトレッドミル歩行)を課す「運動試験」と課さない「対照試験」を、4週間の間隔を開けてクロスオーバー法で実施した。グルコース負荷量は、体重1kg当たり1gとした。血中グルコースとインスリンは、運動試験では対照試験に比べて、負荷1時間後に有意に低値を示した。インスリンの曲線下面積(IAUC)は、運動試験では対照試験に比べて有意に低値を示した。トリグリセライド(TG)およびレムナント様粒子トリグリセライド(RLP-TG)には両試験で有意差は見られなかった。アポ蛋白質B-48は、対照試験では負荷4・6時間後には前値に比べて有意に低下した。運動試験では、負荷1時間後にはアポ蛋白質B-48の一過性上昇が見られたが、4・6時間後には対照試験と同様に前値に比べて有意に低下した。以上より、糖質(グルコース)食後の中等度有酸素運動(歩行)では、グルコースの代謝は促進されたが、トリグリセライドの代謝は有意な影響を受けなかった。運動試験でのアポ蛋白質B-48の一過性の軽度上昇は、運動によって腸管血流が増加したことにより、アポB-48の分泌が一過性に増加したと推定された。この結果を踏まえて、H23年度には糖・脂質同時負荷に対する有酸素運動の効果を検討する。
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