研究課題
本研究は、生活者の安全・安心に対する意識とリスク管理の実態を把握するとともに、生活者の安全に裏付けられた安心の実感にむすびつくリスク管理とリスクコミュニケーションのありかたを、アンケートによる社会調査データを用いて明らかにすることを主な目的としている。また、生活者個人によるリスク意識や対処のありようは、所属する社会により規定されていることから、比較文化研究を行う。具体的には、アメリカ、中国、日本の3カ国をとりあげ、それらの相違を考察することで、日本の国民性・風土にあったリスク管理とリスクコミュニケーションを考察するものである。科学研究費の交付を受ける初年度の21年度にあっては、以下の課題を遂行した。課題1:20年2-3月に自身が実施したアンケート調査「日常生活の安全に関する意識調査」のデータについて、分析・考察の見直しを行った。課題2:リスクをめぐる国民性、リスクの社会的規定、リスクコミュニケーションについての理論研究と質的調査を行った。課題1については、その成果を国際会議や国内外の図書において発表した。課題2については、文献による考察を行うとともに、中国出張による調査も実施した。西南財経大学(成都)にて中国リスク調査研究のプレゼンテーションを行い、また四川省農業国際交流協会会長の楊氏、四川省綿陽市科学技術委員会副主席の胡氏らとともに、被災地の復旧・復興について情報交流を行うなど、震災後の影響についての情報収集を行った。北京にあっては、中国社会科学院新聞研究所調査センター長劉氏らと、中国リスク調査の課題やリスクコミュニケーションについての議論を行い、調査設計を含めた次年度以降の研究の方向性を検討した。
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International Journal on Advanced Intelligence Paradigms Vol.2, No.2-3
ページ: 159-179
Journal on New Mathematics and Natural Computation, World Scientific (in print)
J.D.Velasquez et al. (Eds.) : KES 2009, Part II, Springer-Verlag LNAI 5712
ページ: 32-41