研究課題/領域番号 |
21300271
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
都築 和代 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 研究グループ長 (70222221)
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研究分担者 |
森 郁惠 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 研究員 (90415753)
佐古井 智紀 信州大学, 学内共同利用施設等, 助教 (70371044)
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キーワード | 睡眠 / 季節 / 高齢者 / 実生活 / 皮膚温 / 人体熱モデル / サーマルマネキン / 温熱 |
研究概要 |
実生活場面における睡眠温熱環境の実態のうち、睡眠に及ぼす季節の温熱環境の影響を調べてきた結果、高齢者では、就床時刻には季節による差は認められなかったが、冬や秋に比べて夏において、入眠潜時が有意に長くなり、起床時刻が有意に早くなり、総睡眠時間が有意に短くなり、中途覚醒時間が有意に長くなった。結果として、睡眠効率が夏に有意に低下した。この夏の睡眠の悪化は、高齢者が冷房を好まない・使用しないことによると考えられた。また、皮膚温に季節による影響が認められた。青年については2ヶ月毎(6月、8月、10月、12月、2月、4月)に温熱環境と睡眠について調べる実験調査を実施した。その結果は現在分析中であるが、睡眠時間、睡眠効率や中途覚醒時間等についての違いは認められていない。環境要素の影響を含め、今後さらに詳細な比較分析をする予定である。 睡眠環境を評価するための睡眠時の人体熱モデルを開発中である。睡眠時に特徴的な深部温(直腸温)の低下と上昇は、体温調節機構の日周リズムによると考えられる。本年度は、3℃、10℃、17℃における睡眠時の直腸温データを基に、サーマルマネキンから得られた熱伝達特性を境界条件として与えた人体熱モデルによる解析により、体温調節機構が日周リズムによってどのように変化しているかの推定を試みた。体温調節機構として最も深部温が低くなる設定(血管収縮がなく、代謝量として基礎代謝量(0.7met)とする設定)においても、全温度で睡眠時の直腸温の低下を再現出来ず、逆に直腸温が上昇した。動きの無いサーマルマネキンから得られた熱伝達特性では、放熱を過小に評価するためと考えられる。
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