研究課題/領域番号 |
21300271
|
研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
都築 和代 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 研究グループ長 (70222221)
|
研究分担者 |
森 郁恵 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 研究員 (90415753)
甲斐田 幸佐 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 研究員 (80586264)
|
キーワード | 睡眠 / 季節 / 高齢者 / 実生活 / 皮膚温 / 人体熱モデル / サーマルマネキン / 温熱 |
研究概要 |
睡眠環境の実態とアクチグラフを使った生活者の睡眠覚醒リズム、ならびに、体力測定としての歩行テスト(Timed up & Go Test)などの計測を積雪地域の高齢者の住宅8軒において、要介護高齢者(67~92歳)5~7名について8月と12月に実施した。その結果、夏季の冷房・冬季の暖房使用は、家族に任されおり、高齢者の居間や寝室について夏季は平均26℃~31.5℃の範囲にあり、冬季は居間の平均14℃~22℃、寝室の平均8℃~12℃であった。歩行テストの結果は、冬季よりも夏季に良好であった。睡眠については、夏季よりも冬季の方が睡眠時間は長く、睡眠効率は高く、中途覚醒は短い等の傾向はあったが、統計的に有意な差は認められなかった。日中の活動量等について差があるかどうか、今後検討する予定である。 入浴がその晩の睡眠および体温調節に及ぼす影響について調べるために、健康な高齢者を対象に自宅での風呂の入り方(入浴ありの場合:湯温、浸漬時間、浸かり方など)についての入浴条件を設定し、入浴なし、普段通りの入浴などを行い、その後の睡眠ならびに、睡眠中の皮膚温、直腸温、心拍数や睡眠等に及ぼす影響を測定する実験を実施した。同時に、浴室、脱衣室、寝室の温湿度や屋外気温等を連続測定し比較した。被験者は高齢者男女6名ずつで平均年齢は男性68.3歳、女性67.0歳であった。寝室の平均気温は就寝前11℃~15℃の範囲にあったが、その後、睡眠中は低下し続け、明け方の平均は6℃~10℃であった。入浴なしに比べて、入浴ありで直腸温が一過性に上昇するため、入眠後にはもっとも低下していた。しかし、睡眠時間、中途覚醒、睡眠効率等には有意な差は認められなかった。心拍数等についても入浴ありの方が入眠前から睡眠中も高い傾向にはあったが、有意な差は認められなかった。しかし、起床時の睡眠感では、入浴なしに比べて、入浴ありで睡眠が深く、普段よりもよく眠れた、と感じていた。
|