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2010 年度 実績報告書

インビトロ腸炎モデルの構築とそれを利用した抗炎症性食品因子の検索と抑制機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21300276
研究機関神戸大学

研究代表者

水野 雅史  神戸大学, 農学研究科, 教授 (00212233)

研究分担者 西谷 洋輔  神戸大学, 自然科学系先端融合研究環・重点研究部, 助教 (80457093)
キーワード炎症性腸疾患 / マクロファージ / インターロイキン-8 / 腫瘍壊死因子 / プロバイオティックス / インターフェロン-γ / ポリフェノール / 乳酸菌
研究概要

前年度に構築した炎症性腸管モデル系を用いて、ポリフェノール類であるルテオリンと機能性多糖であるレンチナンについてその抑制機構を検討した。ルテオリンを管腔側に前処理すると、無処理区に比べCaco-2のIL-8 mRNA発現が抑制され、RAW264.7においてはNR-κBの核内移行及びTNF-α産生が有意に抑制された。また基底膜側からは、ルテオリンのアグリコンと抱合体が検出された。さらにDSSで誘導した腸炎モデルマウスにルテオリンを投与すると腸炎に起因する結腸の短縮が有意に抑制された。以上のことより、ルテオリンは小腸上皮を透過し、アグリコンまたは抱合体がマクロファージのNF-κB核内移行を抑制することでTNF-α産生及びそれに続く上皮からのIL-8産生を抑制し、腸炎を緩和すると考えられた。一方レンチナンについても同様の実験を行った。無処理区では、Caco-2細胞内のTNFR1は管腔側から基底膜側にかけて一様に存在が確認されたが、レンチナン処理区では、基底膜側に存在するTNFR1の分布が顕著に減少することが明らかとなった。一方、同様の実験を氷上の培養条件下で行ったところ、無処理区およびレンチナン処理区ともにTNFR1の局在に変化は認められなかった。以上の結果より、Caco-2細胞のTNFR1はレンチナン刺激によってinternalizationを起こすことにより炎症状態で発生するTNF-αを認識しなくなるために、結果としてCaco-2細胞は炎症状態を認識せず正常な状態と保っていることができ、腸炎を緩和していると考えられた。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Anti-inflammatory activities of Lactococcus lactis subsp.cremoris FC in in vitro and in vivo gut inflammation2010

    • 著者名/発表者名
      Nishitani, Y.Mizuno, M.
    • 雑誌名

      Biosci.Microflora

      巻: 29(4) ページ: 169-178

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Oral treatment with extract of Agaricus blazei Murill enhanced Th1 response through intestinal epithelial cells and suppressed OVA-sensitized allergy in mice2010

    • 著者名/発表者名
      Bouike, G., Nishitani, Y., Shiomi, H., Yoshida, M., Azuma, T., Hashimoto, T., Kanazawa, K., Mizuno, M.
    • 雑誌名

      Evid.Based Complement. Altermat.Med.

      巻: ID532180 ページ: 1-10

    • 査読あり
  • [学会発表] Attenuation of the inflammatory response in a mouse colitis model by antioxidant luteolin : Key role of aglycone in inactivation of macrophages co-cultured with intestinal epithelial cells in vitro2010

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Nishitani, Masashi Mizuno
    • 学会等名
      Society of Free Radical Biology and Medicine 17th Annual Meeting
    • 発表場所
      Orlando, USA
    • 年月日
      2010-11-18
  • [学会発表] In vivo腸管炎症モデルを用いたレンチナン経口投与の炎症性腸疾患抑制効果2010

    • 著者名/発表者名
      張玲、西谷洋輔、吉田優、東健、水野雅史
    • 学会等名
      日本応用糖質科学会
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター(静岡県)
    • 年月日
      2010-09-15
  • [学会発表] 食用キノコであるガルガルの炎症性腸疾患抑制効果とその活性物質の分離2010

    • 著者名/発表者名
      渡部純也、原田栄津子、森園智浩、吉田美友紀、河岸洋和、水野雅史
    • 学会等名
      日本食品科学工学会
    • 発表場所
      東京農業大学(東京都)
    • 年月日
      2010-09-02
  • [図書] In Dietary Components and Immune Function2010

    • 著者名/発表者名
      Mizuno, M.
    • 総ページ数
      693
    • 出版者
      Humana Press
  • [図書] βグルカンの基礎と応用-感染、抗がん、ならびに機能性食品へのβグルカンの関与2010

    • 著者名/発表者名
      水野雅史
    • 総ページ数
      283
    • 出版者
      シーエムシー出版
  • [図書] 免疫機能性食品の基礎と応用2010

    • 著者名/発表者名
      西谷洋輔、水野雅史
    • 総ページ数
      227
    • 出版者
      シーエムシー出版
  • [備考]

    • URL

      http://www.research.kobe-u.ac.jp/ans-glyco-chain/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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