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2010 年度 実績報告書

食生活での栄養素相互作用と臓器代謝調節ネットワーク機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21300277
研究機関徳島大学

研究代表者

武田 英二  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00144973)

研究分担者 竹谷 豊  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30263825)
キーワード栄養組み合わせ / 栄養素相互作用 / インスリン抵抗性 / 臓器脂肪酸組成 / アラキドン酸 / 肝臓 / 骨格筋
研究概要

食餌性糖質と脂質の組み合わせが糖・脂質代謝に与える影響について検討し、生体組織の脂肪酸組成変化の役割に着目して検討を行った。肥満モデル動物であるZucker fatty (fa/fa)ラットに異なる糖質[パラチノース(P)またはスクロース(S)]と脂質[オレイン酸(O)またはリノール酸(L)]を組み合わせた4種類の食餌(PO, PL, SO, SL)を投与し、3週後にブドウ糖負荷試験を行った。その結果、リノール酸投与群(PL, SL)においてインスリン分泌量が増加する傾向が認められた。さらにSL群ではより食後血糖上昇が持続していたことから、スクロースとリノール酸の組み合わせ食はインスリン抵抗性の発症を促進することが示唆された。しかしながら4週後の体重、内臓脂肪量および肝臓トリグリセリド含量は各群間に有意な差はみられなかった。近年、組織中の脂肪酸組成を調節することで肥満状態であってもインスリン抵抗性を改善できることが示されている。このことから、食餌組成の違いにより組織中の脂肪酸組成が変化することがインスリン抵抗性の発症に関与すると考えられた。そこで肝臓中の脂肪酸組成を測定した。SL群ではアラキドン酸が増加しており、アラキドン酸の増加を介したインスリンシグナル抑制作用が示唆された。しかしながら、SL群の肝臓において顕著なインスリンシグナルの抑制は認められなかった。一方SL群でアラキドン酸が増加していた骨格筋では、アラキドン酸合成酵素の遺伝子発現が肝臓よりも顕著に上昇していた。以上より、食餌組成の影響は臓器により異なり、肝臓より骨格筋でのアラキドン酸の増加がインスリン抵抗性に関与していることが明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Increasing early insulin secretion compensate adequately for hepatic insulin resistance in CCI4-induced cirrhosis rats.2010

    • 著者名/発表者名
      Arai H
    • 雑誌名

      J Med Invest

      巻: 57 ページ: 54-61

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of long-term late-evening snack on health-related quality of life in cirrhotic patients.2010

    • 著者名/発表者名
      Yamanaka-Okumura H
    • 雑誌名

      Hepatology Res

      巻: 40 ページ: 470-476

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Impact of splenectomy in patients with liver cirrhosis : Results from 18 patients in a single center experience.2010

    • 著者名/発表者名
      Imura S
    • 雑誌名

      Hepatology Res

      巻: 40 ページ: 894-900

    • 査読あり
  • [学会発表] Human FGF21 is Paradoxically Induced by both Fasting and Over-Feeding Signals-Is FGF21 a Nutritional Adaptation Factor?2010

    • 著者名/発表者名
      Uebanso T
    • 学会等名
      American Diabetes Association (ADA)70th Annual Scientific Sessions
    • 発表場所
      アメリカ、オーランド
    • 年月日
      2010-06-26
  • [図書] 最新呼吸リハビリテーション2010

    • 著者名/発表者名
      武田英二
    • 総ページ数
      8
    • 出版者
      株式会社南光堂

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公開日: 2012-07-19  

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