研究課題/領域番号 |
21300280
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
大島 寛史 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (80433209)
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研究分担者 |
三好 規之 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (70438191)
合田 敏尚 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (70195923)
東 達也 東京理科大学, 薬学部, 教授 (90272963)
糠谷 東雄 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 客員教授 (00094342)
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キーワード | 栄養学 / 分析科学 / 脂質 / コレステロール / 生活習慣病 |
研究概要 |
コレステロールのオゾン酸化物であるsecostero1類[3β-hydroxy-5-oxo-5,6-secocholestan-6-al(secostero-A)およびそれがアルドール化して生成した3β-hydroxy-5β-hydroxy-B-nor-cholestane-6β-carboxaldehyde(secostero-B)は、神経細胞など様々な細胞に対して非常に強い毒性を示す化合物であり、最近、ヒト粥状動脈硬化巣やアルツハイマー病患者の脳組織において検出されたことから、炎症に関連した生活習慣病発症の原因物質として注目を浴びている。生体内においては、コレステロールの多くは、コレステロール脂肪酸エステルとして存在しているが、コレステロール脂肪酸エステルのオゾン酸化物に関する報告は全くされていない。そこで、コレステロール脂肪酸エステルのオゾン酸化物の合成、構造決定、分析法の開発、細胞毒性に関して検討し、パルミチン酸コレステロール(C16:0-コレステロールエステル)などの飽和脂肪酸コレステロールエステルのオゾン酸化により、ステロイド骨格の5,6位の2重結合が開裂したエステル型secostero類が生成すること、一方、リノール酸コレステロール(C18:2-コレステロールエステル)及びオレイン酸コレステロール(C18:1-コレステロールエステル)をオゾン酸化すると、既に報告されている9-oxononanoylcholesterolに加えて、今回新規に9-oxononanoatesecosterol-Aとそのアルドール化により生成する9-oxononanoatesecosterol-Bの生成されることを見出した。さらに、ダンシルヒドラジンによる誘導体化法を用いてエステル型secostero1-A及び-Bの分析法を確立し、健康なヒト血液(n=6)から調製したLDLを分析したところ、全試料から、10~20pmol/LDL mg proteinのエステル型secosterol-A及びB(遊離型secosterol類の1/2~1/5の濃度)を検出した(投稿準備中)。
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