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2010 年度 実績報告書

コミュニケーションの創発過程を具現化する聴覚障害児の数学の授業のための教材開発

研究課題

研究課題/領域番号 21300287
研究機関群馬大学

研究代表者

江森 英世  群馬大学, 教育学部, 教授 (90267526)

研究分担者 森本 明  福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (60289791)
キーワード数学教育 / 数学的コミュニケーション / コミュニケーションの創発性 / 反省的思考 / 反照的思考 / 表現 / アブダクション / 推論
研究概要

本研究の目的は、コミュニケーションの創発過程を具現化する聴覚障害児の数学の授業のための教材を開発することである.平成22年度は,創発連鎖における反省的思考と情動的経験について考察を行った.本年度の研究で得られた成果は,以下の通りである.
「問題の解決に向けた初源的な取り組みは,まず,問題解決のために思考の対象を顕在化する「表す」という作業から始まる.思考の対象を眼前に表すという作業は,問題解決の見通しが未だっかない中で,さまざまな試行錯誤を通して行われる.そして,表された対象物は反省的な思考で捉えられ,より考えやすい表現に書き換えられることになる.試行錯誤と反省的思考の連鎖の中では,個人の問題解決者は,自らが所有している知識や経験に依存した思考を行うことにより,また,自らの思考の癖によって,無意識のうちに循環型の思考に落ち込むことがある.これが個人による問題解決の限界となる.こうした循環型の連鎖を断ち切る役目を果たすのが,他者からの刺激を受けることである.他者から送信されたメッセージを受信することは,所有しながら活用することを忘れていた知識や経験を想起させてくれたり,あるいは,まったく異なる表現に出会うという機会を与えてくれたりする.こうした他者からのメッセージの受信は,そのメッセージが自分自身の思考の枠組みから外れているほど,受信者に「驚き」を伴って受信される.ここで経験される情動的な経験は,個人の問題解決過程では,新たなシェマの活性化により解消されるが,他者から与えられた刺激に対する驚きの解決方法は,与えられた図などを観照し,自分自身を納得させる新たな解釈を得るしか方法がないので,驚きを解消するための初源的な仮説を形成させる推進力となる.「なぜ,そんな例示をするのか」という驚きは,他者が送信したメッセージの意味を,自分を納得させる仮説として,形成させるように促すのである.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 数学的コミュニケーションの創発連鎖における反省的思考と反照的思考2010

    • 著者名/発表者名
      江森英世
    • 雑誌名

      科学教育研究

      巻: 34(2) ページ: 71-85

    • 査読あり
  • [学会発表] 算数的活動を活かすために,教師のセンスを鍛えよう2010

    • 著者名/発表者名
      江森英世
    • 学会等名
      第65回北海道算数数学教育研究大会
    • 発表場所
      札幌サンプラザ
    • 年月日
      2010-10-14
  • [図書] 発問&板書で丸わかり!中学校新数学科授業ライブ第1学年編2011

    • 著者名/発表者名
      江森英世編著
    • 総ページ数
      134
    • 出版者
      明治図書
  • [図書] 発問&板書で丸わかり!中学校新数学科授業ライブ第3学年編2011

    • 著者名/発表者名
      江森英世編著
    • 総ページ数
      134
    • 出版者
      明治図書
  • [図書] 数学的センスを鍛えよう2011

    • 著者名/発表者名
      江森英世
    • 総ページ数
      24
    • 出版者
      大日本図書

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公開日: 2012-07-19  

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