研究概要 |
(1)抵抗の無視できる世界の運動の学習を独自な新手法を創成して充実させ、未発達な段階にある慣性運動・等加速運動教材を抜本的に豊富化し、この分野の能動学習の展開を容易にした。試行してきた「ミリ秒の世界の学習教材化」を本格化し(ミリ秒の分解能を持つセンサーや超高速カメラの活用による能動学習システムの研究開発)、多様なICT活用検証実験で科学の鍵概念を形成する強力な実験手段をさらに豊富化・充実させた。超軽量紙片カップの落下実験、超高速カメラでの微小液滴の落下分析等により、抵抗が支配的な日常世界における終端速度の法則性を運動分析ソフトや距離センサーなどで実体験できる空中や水中の抵抗が支配的な世界における運動の法則を学ぶ教材モジュールを開発・充実した。 (2)多方面な分野(熱,波動,電磁気,原子分子,等の分野)でActive-Learning(AL)型ICT活用授業の研究開発・実践を進め、効果的で実効性のある教授・学習コンテンツやモジュール群を創成した。特色ある効果的で実効性のあるICT活用教材モジュール群を系統化して、今日的な初等・中等・高等教育の理科教育カリキュラムを整備・充実して日常的に活用した。教員研修・12年研修、教員免許状更新講習におけるe-learning教材(「成績評価のための統計学講座」「力学の考え方教え方」)等を作製して配信した。 (3)こうした学習モジュール群の修正・改善をはかるため、現象分析ソフト、ITセンサー、無線LAN等を使ったリアルタイムIT活用教授学習システムの成果を評価し、科学の鍵概念を形成する教授・学習の効果を評価する本格的プレ・ポストテストを実施し、その有効性を実証した。 (4)新潟で見出した明治中期の物理・化学・生理・理科筆記等の分析を進め、明治中期の理科・科学教育の実相を解き明かし、理科・科学教育の発展・充実への歴史的教訓の分析・考察し現代的教材化を試みた。
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