研究概要 |
現代の高度情報化社会・知識基盤社会において生きる力を育むために,すべての人々のための科学的リテラシー(智)の育成が課題となっている。本研究では,科学的リテラシーの基礎をなす数学的リテラシーのこれまでの研究成果をふまえ,特に,中・高等学校の連携を通して,数学的リテラシーを首尾一貫して育成する授業の開発と評価を行い,生涯学習社会の基盤となる中等教育段階における数学的リテラシー育成の実践的な授業モデルを提供することを目的とした。 平成21年度は,これまでのプロジェクトから得られた知見に基づき,「関数」と「資料の活用」領域に焦点をあて,中・高の連携を配慮した教材を開発する。また,中・高にわたる首尾一貫した授業開発のために,両校の教員と大学教員が協働して研究授業を組織した。これに関しては,次の4つの課題に取り組んだ。 ・OECD・PISA調査,『学習指導要領』に関する著作,『科学技術の智プロジェクト』報告書,『プロジェクト2061』報告書,日本数学教育学会,科学教育学会等の論文,長崎栄三氏による科研からの知見を整理した。 ・先進国(米国,オランダ)の教科書分析を行った。オランダのModerne Wiskunde及び米国のMathematics in Contextの検討と,オランダでの現地調査を行った。 ・「関数」と「資料の活用」に関して,教材を開発を行った。 ・「関数」と「資料の活用」領域の授業設計と試行を行った。
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