研究概要 |
島根大学,群馬大学,新潟大学の各大学と企業とが共同で研究・開発し,実用化に至った事例について精査し,詳細に調査する事例,及び,関係する企業と教員を抽出した. 抽出した事例,合計6件,について,対象企業(経営者や担当者)と担当教員をヒアリングし,実用化した製品やサービスの概要,売り上げ,研究・開発・事業化の経緯,産学連携のきっかけ,産学連携の効果,事業化プランの作成時期,マーケッティングの実施・手段,研究・開発経費などの項目について調査を行った.調査内容について,随時,研究打合せを行い(計6回),調査項目の妥当性や過不足,解析方法などについて議論した. 解析の結果,共同研究から実用化に至るまでのプロセスや大きな影響を与える要因が明確になりつつある.また,実用化事例を「マーケット」と「技術」の観点から分類を試み,既存と新規のマトリックスで分類できる可能性があることを明らかにした.この分類は,アンゾフの成長戦略(マトリックス)に類似していることも明確になった. 研究対象とした地域以外の事例を調査する目的で,食品やバイオ関連で産学連携の実用化事例が多い沖縄県を訪問し,産学連携や実用化事例について調査を行い,これまでの結果を比較した.その結果,産学連携の活動状況や実用化に必要な要因において,企業側が実用化に熱心であること,対応する教員が共感し協力・指導している,類似点が多いことがわかった.また,産学連携を推進している方々との意見交換の中で,人材育成のためにMOTの教材の必要性も確認できた. 次年度は,調査を継続すると共に,人材育成用の教材のイメージの明確化やそれに即したモデル化を進めていく予定である.また,初年度であることから研究成果の学会等での発表が少ないが,来年度以降は研究成果を積極的に発表していく予定である.
|