研究概要 |
島根大学,群馬大学,新潟大学,岡山大学の各大学と企業とが共同で研究・開発し,実用化に至った事例について新たに4件の調査を行った.昨年度調査した6件とあわせた10件の事例について,詳細に解析と検討を進め,教材の作成を進めた.調査事例の解析結果などについては,産学連携学会第8回大会などで合計10件の発表を行った. 教材の作成に当たっては,産学連携や産学連携による新規事業創出のステップを理解できると言うことに主眼を置いた。ケーススタディ用の教材として,(1)新規事業創出における産学連携の特徴や効果を理解する教材,(2)産学連携の使い方やMOTの理解を深める教材,の2種類を試作した.(1)については,産学連携の特徴やパターンが異なる4つの事例をセットにして,事例を比較することで産学連携の特徴や効果を考え理解しそれを深めるための教材とした.(2)については,「研究開発が終わり,製品ができたが,思うように売れない.今後,どのように支援していくか?」と言う状況を設定し,その後の展開について,課題の解決に向けての方針や実行項目,計画を検討し提案するための教材とした. これらの教材を用いて,九州地区のインキュベーションマネージャーの集まりである九州BIPの協力を得て,平成23年1月14日に福岡市で実証研修を行った.18名のインキュベーションマネージャーが参加し,上記の2種類の教材を用いてグループ討議でのケーススタディを実施し,我々が講師を務めて解説を行った.当日実施したアンケートの結果からは,概ね良好な回答が寄せられ,産学連携やそれを活用した新事業創出のステップの理解を深めるために,教材と研修ともに有効であることがわかった. 他地域の事例を調査する目的で,高知大学,JSTイノベーションプラザ高知,株式会社相愛を訪問し,高知での産学連携の実用化事例の全般,および,1事例の詳細を調査した.
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