研究分担者 |
丹生 晃隆 島根大学, 産学連携センター, 講師 (00432617)
伊藤 正実 群馬大学, 研究・産学連携戦略推進機構, 教授 (60274742)
川崎 一正 新潟大学, 地域共同研究センター, 准教授 (50214622)
藤原 貴典 岡山大学, 研究推進産学連携機構, 准教授 (20274011)
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研究概要 |
島根大学,群馬大学,新潟大学,岡山大学の各大学と企業とが共同で研究・開発し,実用化に至った事例について新たに4件の調査を行った.昨年度までに調査した10件とあわせて14件の事例について,事例概要と教材の作成を進めた.また,産学連携や新事業創出のパターンについて整理し類型化を行った. これらの教材を用いて,北海道大学の協力を得て平成23年9月27日に札幌市で,また,岡山商工会議所の協力を得て平成23年10月13日に岡山市で実証研修を行った.それぞれ10名と20名の受講者が参加し,試作した教材を用いてケーススタディを実施し,我々が講師を務めて解説を行った.当日実施したアンケートの結果からは,概ね良好な回答が寄せられ,産学連携やそれを活用した新事業創出のステップの理解を深めるために,教材と研修ともに有効であることがわかった. 地域イノベーションの創出に向け,現状と課題を整理して本研究グループで検討を行い,創出の促進に向けたステップや具体的な手順の一例を明らかにした.大学との共同研究の件数や特許の出願件数の推移から地域イノベーションの創出については,特に地方において進んでいないことが明らかとなった.このような地域では,新規事業を志向する経営者などの発掘や人材育成とイノベーションを志向する人たちの周辺環境の整備が大きな課題であると考えられる.地域イノベーションの創出のステップとしては,先ず,インクレメンタル,あるいは,小さなイノベーションを地域の関連機関が連携して内発的に創出し,企業や研究機関の研究・開発能力を向上させ,その後ラディカルなイノベーションの創出を目指すことが考えられる.このようなモデルの一つとして,北海道経済同友会や北海道大学などが進めているHoPEの活動が参考になる. 3年間の研究成果を整理しとりまとめ,最終報告書を作成した.報告書は,関係者に印刷配布を行うと共にホームページを作成し公開した(http://www.sgrk.shimane-u.ac.jp/MOT/).
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