本研究では、わが国初の知財教育を含む工学設計の実践教育を外国の大学と共同して実施し、その運営法を検討する。知財教育を含む工学設計の教育実践では、本学のこれまでの教育経験をもとに、外国の提携校とのプロジェクト活動において知財教育をどのように進めたら良いかを検討し、授業実践を通して学習内容を具体化していく。 平成22年度は以下のとおり実施した。 (1) 提携校における工学設計教育の調査 台湾の提携校を訪問し、工学設計教育の連携授業実践の可能性について調査し、交流に必要な教材や運営方式について検討した。 (2) 提携校における知財教育についての調査 シンガポール、米国、台湾、韓国等にある提携校の知財関係の教育内容を精査し、本学の現状と比較し、連携授業開始前にどのような準備が必要かを検討した。 (3) 同期型授業運営システムの運営 学生のプロジェクト活動を推進するためのウエブコミュニケーションシステムを構築し、実際の知財教育を含む工学設計の授業において運営し、その有効性を検討した。さらに、知財教育用の教育システムの基盤を構築した。 (4) 地域環境計測とデータ整理 地域環境に関連したプロジェクトテーマが遂行された場合に備えて、地域の基礎的な環境データを整備した。 (5) 成果報告 日本および台湾における工学教育に関する学会で成果を発表し、知財教育と工学設計教育の権威者と情報交換し、知財教育を含む工学設計教育の展開に必要な情報を得た。
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