研究課題/領域番号 |
21300298
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
猿田 祐嗣 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 総合研究官 (70178820)
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研究分担者 |
中山 迅 宮崎大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90237470)
隅田 学 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (50315347)
石井 雅幸 大妻女子大学, 家政学部, 准教授 (50453494)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 科学的思考 / 論理的思考 / 表現力 / 分析 / IEA / TIMSS / 小学生 / 中学生 |
研究概要 |
新しい学習指導要領において重視されている思考力や表現力の実態を探るために,TIMSSのデータを詳しく分析した。最新のTIMSS2011のデータ分析から,日本の小学生・中学生ともに推論領域問題の平均正答率が知識領域及び応用領域に比べて高く,また4年前の調査よりも得点が高くなっていることが明らかとなった。したがって,国際比較調査の結果からは,日本の小・中学生の推論を伴う思考力は伸びていると言えよう。一方で,論述問題の正答率も国際平均値を上回り,特に中学生の表現力については向上していることが明らかとなった。 これらの理由を解明するため,カリキュラム評価の観点から分析を行った。その結果,意図されたカリキュラムとして全国学力・学習状況調査が実施され,学習指導要領とともに達成すべき学力の具体像が示されたことが成績の伸びの要因のひとつとして考えられた。また,学校間の学力格差は依然として小さく,成績上位国と異なる状況であることも分かった。 また,小・中学校の教科書に書かれている「問い」を分類・整理し,問いが規定する思考と表現について検討した。中学校理科教科書5社の分析結果からは,物理・化学・生物・地学のすべての領域において「どんな」または「どのような」に関する問いが多く,これらの問いは,それに続く言葉によって内容が規定され,物理領域と地学領域では「関係」が多く用いられており,生徒は物事の関係性についての思考を促されていることが示唆された。化学領域と生物領域では「はい・いいえ」などの二者択一で答えることのできる,仮説を含んだ問いが多く,これらの問いでは,生徒が観察や実験の前に仮説を立てて,それによって問題点を明確にして思考・表現する学習が促されていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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