研究概要 |
本申請課題の目的は,支援システムの連携を司る教育支援プラットフォームを開発することである.本プラットフォームは,既存の支援システム群が搭載可能な基盤ソフトウェアであり,個々の学習者の学習状況に合わせた支援システムの効果的な提示ができる仕組みと,学習状況に合わせ支援システムが有機的に連携を図れる仕組み,学習者の計算機環境に合わせた柔軟な支援環境を学習者に提供する仕組みを有するものである. 平成23年度は,本申請課題の目標であるグリッド型の教育支援プラットフォームを開発した.具体的には,以下の2ステップを行った. (1)グリッド型プラットフォームの設計 支援システムの追加・削除がダイナミックに行える基盤ソフトウェアである,教育支援プラットフォームの設計を行った.設計には,以下の2つの要件を定めた. 1.支援システムの追加/削除に合わせて,支援システムの相互連携が自動的に開始/停止すること. 2/常に学習者に効果的な環境を提供するためにリアルタイムな学習状況の把握を行うこと. 学習者の状況に適応的な支援システムの選出は,δ(V: L, T, I) → E ⊂ V によって表記されるオペレータを定義した.このオペレータδは,プログラミング学習支援ツールの集合Vに対して,学習者の学習状態L,支援ツールに対するニーズT,教授者の意図Iの3つのパラメータが作用し,対応した支援ツールの集合Eを選出するものである.これらパラメータの記述には,XML形式のテキストファイルで実装し,プラットフォーム開発と各種パラメータを独立に扱うことにした. (2)グリッド型プラットフォームの開発 上記(1)で設計したプラットフォームを開発した.開発環境としてサーバはSolaris10,DBにMySQLを用い,学習履歴の収集にはPerlとC言語,支援ツールの選出アルゴリズムの実装にはPHPを開発言語として用いた.システムはWebブラウザ上で動作するものとした.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,当初の予定通りに遂行する予定である. 具体的には,今回開発したプラットフォームを用いた実践・評価と開発システムのチューニングを予定している.評価は,授業実践によるものと,仮想空間上でシステム抽出パラメータの精度評価の2通りを検討する.その後は,システムおよび本研究成果の公開のステップに入る.
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