研究概要 |
近年、学習理論において構成主義の台頭と共に、学習活動や課題,評価方法等の「真正性(authenticity)」が強調されている。真正な学習・評価においては,学習の中に評価が埋め込まれていることが特徴であり、真正な評価で用いられる学習者個人に関わる大量の電子データをeポートフォリオと呼ぶ。しかし、実際にはその概念さえ曖昧であり、現在、開発されている多くのeポートフォリオ・システムでは、レポートやプログラムなどの電子上の成果物を蓄積し、電子掲示板や自己評価機能、相互評価機能を付け加えることでリフレクションを誘発するものを指すことが多い。例えば、eラーニングに絞り込んだだけでも、学習評価に用いられるデータは、レポートなどの学習成果物の他にそれへの様々な評価結果、大量に蓄積された学習履歴や電子掲示板での議論過程、演習テスト結果、その他のテスト履歴、など大量で多岐にわたるデータが得られる。本研究では、eラーニングで大量に蓄積される多様な学習データを整理・格納し、さまざまな状況.目的に応じてポートフォリオの作成、評価、学習への活用を支援するシステムを開発する。さらに申請者がこれまで開発してきたLMSに実装し、実践することを目的とする。 平成23年度は、前年度までの評価分析および実験結果をまとめ、論文投稿を行った。
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