研究概要 |
本研究の目的は,教育実践の「デザイン研究(design-based research)」において,形成的評価をこれまで以上に有益なものにするための統合的な評価手法を開発し,その実証的検討を行うことである.今回開発するものは,コンピュータを用いた協調学習支援環境において学習者自らが自分自身の学習進捗状況を的確にモニタし,次の学習へと進めるための形成的評価ツールである,このツールは,(1)学習者が自分が参加しているネットワーク上の対話においてどのような知識発展が認められるかを自己評価するための「知識構築ポートフォリオ」と,(2)そのシステム全体として社会的知識がどのように発展しつつあるかを捉えようとする知識のネットワーク分析の2つから構成される,こうした異なるレベルの知識発展を学習者自らが統合的に評価することによって,自己学習能力の更なる進展が期待される,本研究では,こうした学習者のための評価ツールが後の学習成績に与える影響を実証的に検討していく. 本年度は,(1)協調学習活動中の学習者の対話のネットワーク分析ツール「Knowledge Building Discourse Explorer(KBDeX)」の開発と,(2)それを利用して知識構築ポートフォリオを支援する知識構築活動の指標化を試みた.香港,あるいは北米の国際共同研究者から提供される対話データを分析することによって,KBDeXに装備すべき必要な機能の洗い出しと,追加を行った.また,知識構築型学習の指標をポートフォリオの側面から検討し,いくつかの側面についてはその妥当性について検証することができた.
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