国際化の時代、外国語学習の必要性が社会的ニーズとなっている。特に、学生に関しては、英語スピーキングの機会が少ない。本研究では、情報通信技術を援用することにより、外国語スピーキングの練習を行うツールを開発する。 今年度は、システム開発を行い、学習効果にかかわる検証実験を行った。学習システムは、所定の日本諸短文集合の中からほぼランダムに一つの短文を選択し、画面提示する。学習者は、それを英語に速訳することを試みる。その後、正解を提示して暗記に努める。この繰り返し学習を進めることにより、あらかじめ用意した外国語短文を全部暗記するようにする。 事例として、国際学会発表会場内外で想定される会話を100ほど作成し、英訳回答を用意しまたナレーション録音を行い、データベースに登録した。 学習効果に係る検証実のため、3名の生が被験者を務めた。いずれに対しても、30弱の短文を用いて、学習の事前・事後テストとともに、すべての短文暗記を行ってもらった。英語口述回答はすべて録音し、アメリカ人評価者に流暢さ等の観点で評価してもらった。その結果、流暢さに関しては、6ケースのうち、5ケースで統計的に有意な結果が得られた。 以上により、本開発システムの実施により、学習効果が得られることが明らかになった。
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