研究分担者 |
山川 修 福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (90230325)
多川 孝央 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 助教 (70304764)
隅谷 孝洋 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 准教授 (90231381)
井上 仁 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (70232551)
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研究概要 |
「個々の実践を向上させるための診断と処方箋の提供」(大島・大島,2009)を目的として1990年代に確立した学習科学(the Learning Sciences)は,Brown(1992)やCollins et al.(2004)によって提唱されたデザイン研究アプローチ(the Design-Based Approach : DBA)を戦略的に採用する.学習科学がDBAを採用するのは,日常の学習系を直接の対象としたin vivoな研究を志向しているからである.学習科学が学習コミュニティといった協調的な学習活動をとりわけ重視するのも,in vivoな研究によって導出された知見に基づく.しかしながら,これまでのところDBAはデザインされた学習環境のプロファィルの蓄積を主眼としており,協調的な学習がなぜ有効なのか,協調学習という現象の普遍的な構造やメカニズムを十分に解明してきたとは言えない(三宅,2010;三宅ほか,2002),「多対多の関係性のダイナミクスが織り成す生態系」としての学習系を十分に捉え,その構造とメカニズムを解明し,有効なデザイン原則を導き出すためにはDBAには何が必要なのか,こうした問題意識に立ち,今年度は次のような成果を上げてきた. 1)複雑系科学の数理的アプローチが学習科学研究において有効であること,またそれが重要であることの主張(JSET課題研究,CLE研究会シンポジウム,複雑系学習科学シンポジウム) 2)SNS上のネットワーク・コミュニティの構造解析とその特異な性質についての発見,およびそれを記述する数理モデルの紹介. 3)SNS上の学習コミュニティを解析するための手法の提案.
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