研究課題/領域番号 |
21300318
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研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
浅井 紀久夫 放送大学, ICT活用・遠隔教育センター, 准教授 (90290874)
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研究分担者 |
大西 仁 放送大学, ICT活用・遠隔教育センター, 准教授 (40280549)
大澤 範高 千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 教授 (30251721)
高野 邦彦 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 准教授 (10353260)
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キーワード | インタラクション / 触力感覚 / 触力覚フィードバック / 高臨場感 / 立体表示 |
研究概要 |
本研究の目的は、触力感覚を提示する触力覚インタフェースを構築し、視覚、聴覚の提示と整合するマルチモーダル・インタラクションを協調的に生成する環境を開発することである。そのため、触力感覚を精度良く再現する触力覚フィードバックを与える触力覚デバイスを製作し、複数の利用者が体感的情報を共有する仕組みを構築する。 作業時の力加減を筋電信号として測定し、力加減を再現するモデルから力加減を推定することを考えていたが、昨年度までに取得したデータ分析の結果から筋電信号に含まれる雑音の影響で力加減を精密に推定することが困難になると予想されたため、仮想物体の干渉に基づいて力加減を算定することにした。 触力覚インタフェースとして、張力で力覚フィードバックを提供する力覚デバイスを複数構築した。位置情報の取得には、PCに付属するマウスを使用した。任意の形状の仮想物体の干渉に対して、干渉具合に応じて力情報を計算する仕組みを構築した。また、複数のデバイスが、ネットワークを介して協調動作する仕組みを構築した。力情報は直接交換せず、仮想物体の位置情報を交換し、各端末で力情報を計算する設計とした。 高度な体感的インタラクションを提供するには、触力感覚の提示だけでは不十分であることがわかっている。視覚の臨場性を実現するため、三次元情報を立体表示するシステムの特性の改善及び遠隔で立体を再現する仕組みの検討を行った。また、視覚触覚情報の相互連携について、3次元空間内の仮想物体を操作するアプリケーションを設計し、力覚デバイスを実装する構成を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
触力感覚を提示する触力覚インタフェースを構築し、視覚、聴覚を含めたマルチモーダル・インタラクションを協調的に生成することが、本研究の主目的である。筋活動に基づく力加減の再現は難航しているが、力覚デバイスや力覚フィードバックを与える力情報の計算、これを遠隔で共有する仕組み、そして視覚情報との連携のための立体表示システムの検討に関しては予定通り進行している。
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今後の研究の推進方策 |
接触インタラクション技法として、直接的に触力覚提示を行う手法と拡張現実感を用いて間接的に提示される手法について整理する。その上で、触力覚フィードバックを適切に再現する触力覚デバイスの選定と力情報の算出、コンテンツの制作を行う。視覚情報から現実空間の奥行きを求め、これを触力感覚として提示したり、3次元構造を持つ仮想物体同士の接触を提示したりするアプリケーションを制作する予定である。また、視覚の臨場性との関連が重要になっており、触力覚情報との連携を図るための提示の仕方を検討していく。
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