研究概要 |
本研究の目的は,1) 複合現実感共用システムの構築,2) 科学的思考を育成する学習プログラムの開発,の2つを実現することである。平成21年度は,1) の複合現実感共用システムについて,Web上のデータベースで3Dデータを共有し,他の博物館などからアクセスし,Web3Dとして表示するシステムおよびWeb上で複合現実感表示するシステムを開発した。また,Web上の複合現実感コンテンツを開発するツールとして既存のオーサリングツールに複合現実感の機能を追加した。2) については,「ミクストリアリティ進化ゲーム2&よみがえる恐竜2」という複合現実感を利用した学習プログラムを国立科学博物館において2009年7月2日から5日に実施した。また,「よみがえる恐竜」を放送大学千葉学習センターにおいて2009年11月14日・15日に実施した。さらに,ドイツのKnowledge Media Research Center (KMRC)(チュービンゲン),シュトゥットガルト自然史博物館(シュトゥットガルト)においても2010年3月に複合現実感コンテンツの実証実験を行った。KMRCの実験では,ドイツの10歳から14歳くらいの生徒を対象に複合現実感体験の授業を実施し,2週間後くらいに覚えているシーンなどを質問する調査を行った。これは,本研究のテーマの1つである縦断的研究の基礎資料となるものである。博物館連携としては,国立科学博物館だけでなく,宮崎県立総合博物館,厚木市情報プラザ,足立区ギャラクシティ,シュトゥットガルト自然史博物館とも,複合現実感のシステムの共有などを実施した。
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