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2011 年度 実績報告書

博物館における複合現実感共用システムの構築と科学的思考の育成に関する縦断的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21300319
研究機関放送大学

研究代表者

近藤 智嗣  放送大学, ICT活用・遠隔教育センター, 准教授 (70280550)

研究分担者 真鍋 真  国立科学博物館, 地学研究部, 研究主幹 (90271494)
有田 寛之  国立科学博物館, 事業推進部, 専門職員 (70342938)
稲葉 利江子  京都大学, 大学院・情報学研究科・情報教育推進センター, 特定講師 (90370098)
キーワードミクストリアリティ / ヒューマンインタフェース / 科学リテラシー / 縦断的研究
研究概要

本研究の目的は,1)複合現実感共用システムの構築,2)科学的思考を育成する学習プログラムの開発,の2つを実現することである.平成23年度は,小型植物食恐竜(オスニエロサウルス)および大型肉食恐竜(アロサウルス)の骨格標本を対象とし,複合現実感コンテンツを使用した評価実験を主に行った.その評価方法は,質問紙調査だけでなく,体験者の行動分析からも行った.行動分析の方法としては,体験者が体験時に持つハンドヘルドディスプレイ(HHD)のカメラ位置を取得して分析を行った.このログデータ取得機能を開発し,さらに得られたデータを分析し可視化するプログラムも開発した.大型肉食恐竜(アロサウルス)を対象とした評価実験は,平成22年度の静岡科学館で実施した展示で,この結果をまとめた論文は日本展示学会の学会誌「展示学」に投稿し採択された.また,小型植物食恐竜(オスニエロサウルス)を対象とした評価実験の結果については,現在投稿中である.さらに,小型植物食恐竜(オスニエロサウルス)を対象とした新たなコンテンツも開発し評価を行った.このコンテンツはより教育的なコンテンツとした.これまでのコンテンツはエンターテインメント性を持たせて,魅力ある体験型の映像展示を目指してきたが,このコンテンツでは,恐竜の骨格標本を見学する上での基本的な点として骨格の構造の違いを詳しく解説するものである.このコンテンツでは,従来の展示では理解が難しかった点を複合現実感の特性を活かしてわかりやすくしたもので,現在のところ評価結果から学習効果が認められている.平成23年度は,このコンテンツを利用して,映像情報の提示パターンを変えた評価実験を行った.今後は,この実験をさらに進めていく計画である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

複合現実感のシステム面では,体験者の行動を分析するための行動ログデータ取得機能と行動ログ分析機能を開発した.これにより,客観的なデータをもとに,次期コンテンツ開発へのフィードバックができる仕組みを構築することができた.また,学習プログラム面では,これまでの研究結果から,複合現実感コンテンツでの学習における課題を抽出した.その改善を行った結果,学習効果の改善が認められつつある.これらのことから研究目的の達成度について,おおむね順調に進展していると判断する.

今後の研究の推進方策

本研究が開始された後,複合現実感に最適な携帯端末がいくつも発売されている.スマートフォンやiPadのようなタブレットPC,ニンテンドー3DSのような携帯型ゲーム機である.本研究では,これらの携帯端末より没入感の高いHHD(ハンドヘルドディスプレイ)を使用しているが,新しい携帯端末と比較する必要が出てきている.これらについても検討を始めている.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 骨格復元の新旧学説を対比する複合現実感展示解説とその評価2012

    • 著者名/発表者名
      近藤智嗣
    • 雑誌名

      展示学

      巻: 第50号 ページ: 60-69

  • [雑誌論文] ミクストリアリティ:解説機器の未来2011

    • 著者名/発表者名
      近藤智嗣
    • 雑誌名

      展示学

      巻: 49 ページ: 32-35

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公開日: 2013-06-26  

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