本年度は研究開始初年度として、基本的な資料の情報収集を主として実践した。『科学史研究』、『史学雑誌』などの学会誌から近世日本科学史に関する論考の情報を抽出し、データ・ベーヌ化を開始し始めた。(研究協力者の福田舞子、中澤聡の協力による。)次年度も継続して作業を進めていく。 成果発表としては、近世日本科学史の史料に関する報告として、下記の口頭発表を実施した。順次論文として公刊していく予定である。 (1)佐藤賢一「数学遊戯に関する新出史料の紹介」日本科学史学会年大会・総会(九州大学)、2009年5月[この発表では、日本最古と思われる和算の遊戯史料を紹介した。]/(2)佐藤賢一「仙台藩医・桑原氏関係史料の紹介」、洋学史学会例会(順天堂大学)、2009年7月/(3)佐藤賢一「仙台藩医桑原家資料:『自家記録』、『喜雨盧随筆』の紹介」、実学資料研究会例会(京都大学)、2009年9月[(2)(3)では、忘れられていた仙台藩医桑原家資料の科学史的意義を再発掘した。]/(4)佐藤賢一・福田舞子「仙台藩士・茂貫橘洲による海防関連史料の紹介」、洋学史学会年大会(青山学院大学)、2009年12月[仙台藩士茂貫氏の海防との関わりを明らかにした。]/(5)佐藤賢一「戸板保佑と関流数学」、四日市大学関孝和数学研究所主催講演会、2010年3月[幕府天文方の持っていた数学に関する情報量の膨大さを指摘した。]/(6)佐藤賢一「京都中根派和算家の測量術について」、洋学史学会・実学史料研究会合同例会(京都大学)、2010年3月[新発見の測量術史料を紹介した。]
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