研究課題/領域番号 |
21300335
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鈴木 康弘 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70222065)
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研究分担者 |
渡辺 満久 東洋大学, 社会学部, 教授 (30222409)
中田 高 広島大学, 文学部, 名誉教授 (60089779)
後藤 秀昭 広島大学, 文学研究科, 准教授 (40323183)
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キーワード | 活断層 / 地震 / 変動地形学 / リモートセンシング |
研究概要 |
本研究は、近年発生した大地震に伴う地震断層と、その発生源となった活断層との関係を詳細に比較することによって、将来発生する活断層による地震(以下活断層地震と呼ぶ)の際の地表変位を正確に予測する新たな手法を創出することを目的とする。現状の活断層研究は、断層の長さや断層線の形状に注目して、地震断層の長さを想定する概略的な経験則を有しているが、その揺らぎや地表変位分布までを予測する高度な手法は確立されていない。 本研究では、2008年四川地震をはじめとする最近(概ね20世紀以降)に起きた活断層地震を事例に、従来の予測手法の適用限界を検討するとともに、累積変形から分かる断層沿いの平均変位速度分布を詳細に求め、これと地震時変位量の分布がどのような相関を持っているかに注目することによって、予測手法の高度化を目指す。高度化を目指す予測項目は、(1)地表変位が生じる範囲(地表地震断層の長さ)、(2)地点ごとのずれの量、(3)深部地震発生層におけるいわゆる震源断層の規模、の3点である。 21年度は、四川地震、台湾中部地震、中越地震、岩手・宮城内陸地震、モンゴルBulnay地震を対象に検討を行った。また、糸静線や横手盆地の活断層や、海域の活断層にも同様の考えを適用して地震の繰り返しパターンや地震規模を議論した。検討結果は関連学会において多くの口頭発表・ポスター発表とする他、論文・図書として公表した。また、震源断層と活断層の関係がよくわかっていなかった岩手・宮城内陸地震に関する検討結果は、詳細な地図とともに、国土地理院技術資料にも収められた。
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