研究概要 |
本研究は、近年発生した大地震に伴う地震断層と、その発生源となった活断層との関係を詳細に比較することによって、将来発生する活断層による地震の際の地表変位を正確に予測する新たな手法を創出することを目的とする。22年度は、台湾中部地震、モンゴルBulnay地震、および陸羽地震等を対象に、以下の項目を実施するとともに、歴史地震の詳細は不明である糸魚川-静岡構造線等における活断層地震の予測を試みた。 ・ 高解像度画像(CORONA,ALOS,IKONOS,Quckbird等)および航空写真判読による活断層マッピング・現地調査および写真計測的手法による変動地形調査 ・ 地震断層資料収集(断層図および地震時変位量分布) ・ 現地調査によるGCP取得・地形面の年代推定および写真計測による断層地形計測 台湾中部地震については、累積変位量分布を広域的に明らかにするため、衛星画像による写真計測学的な検討を進めた。モンゴルBulnay地震については、広域的な活断層マッピングを進めるとともに、活動間隔の推定を行った。さらに、陸羽地震に関しては、活断層の存在が不確定な横手盆地南半部において、詳細な写真判読・現地地形調査に加え、ボーリング調査を実施することにより、陸羽地震の活動とは別の起震断層となり得る活断層の存在を新たに確認し、年代測定結果により最近の活動性を評価した。また、糸静線については、地震規模(モーメントマグニチュード)を変動地形学的に推定する新たな手法を開発し、論文化した。
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