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2009 年度 実績報告書

霞ヶ浦湖面フラックスの評価と湖面蒸発水平分布のモデル化

研究課題

研究課題/領域番号 21310005
研究機関筑波大学

研究代表者

杉田 倫明  筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (80235887)

キーワード霞ヶ浦 / バルク輸送係数 / 蒸発 / 運動量 / 潜熱
研究概要

平成19年6月から21年度中に実施した国土交通省霞ヶ浦河川事務所・霞ヶ浦湖心観測所での観測データから,水蒸気,顕熱,二酸化炭素,運動量のフラックスを渦相関法により求めた。さらに得られたデータと気象データを組み合わせることで水面と大気間のバルク輸送係数を導出した.この結果,バルク輸送係数を決めている主要な要素は水面の粗度であることがわかった.大気の安定度の効果は相対的には小さい.粗度の大きさは,風速により与えられることがわかり,高さ10mでの風速が概ね10m/sより大きな領域では,風速と共に大きくなること,風速4~10m/s程度はほぼ一定,4m/s以下では風速が小さい方が大きくなるという結果が得られた.前2つの傾向はさざ波と風波による粗度の推定値から説明できるが,弱風時の傾向は説明できない.データの精度などを確認したが,今のところその原因を特定できていない.次年度に向けての課題である.一方,それ以外の風速領域に対しては,風速,安定度の関数としてバルク係数を推定する式を提案することができた.また,衛星リモートセンシングと周辺気象データからの蒸発量分布の推定するために,まず湖心での観測期間にLandsat ETM+とMODISを対象とし,データを選択して取得した.同時に周辺気象データについては,気象庁のAMeDAS観測所,国土交通省霞ヶ浦河川事務所,防衛省百里基地の観測所に加え,環境省環境研究所臨湖実験施設の気象データを収集した.衛星データからは,水面温度データを推定した.一方,観測所での点データとして得られる気象データ(気温,水蒸気圧,風速)は,地点ごとの観測高さの違いを考慮した補正を施した後にArcGISソフト上で空間内挿を行った後,衛星画像と同じ大きさの画素(ピクセル)にラスター化した.これにより,各ピクセルごとに表面温度,気温,水蒸気圧,風速のデータが基礎データとして得られるたので,これと湖心観測所で(1)で求まるバルク輸送係数を用いて,各ピクセルでの蒸発量を計算した.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 航空写真判読を用いた過去のつくば市における粗度長変化の推定2009

    • 著者名/発表者名
      岩田拓記・山中勤・杉田倫明
    • 雑誌名

      筑波大学陸域環境研究センター報告 10

      ページ: 13-18

  • [雑誌論文] Recent low-flow and groundwater storage changes in upland watersheds of the Kanto region, Japan2009

    • 著者名/発表者名
      Sugita, M., Brutsaert, W.
    • 雑誌名

      Journal of Hydrologic Engineering 14

      ページ: 280-285

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Sugita, M., Kato, H., Kotani, A.and Toda, M.(2009) : How universal is the C function in the bulk ABL similarity approach for estimating surface sensible heat flux?2009

    • 著者名/発表者名
      Sugita, M., Kato, H., Kotani, A., Toda, M.
    • 雑誌名

      Water Resources Research 45

      ページ: doi : 10.1029/2008WR007390

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Concise formulae for the atmospheric correction of hemispherical thermal radiation measured near the ground surface2009

    • 著者名/発表者名
      Kotani, A., Sugita, M.
    • 雑誌名

      Water Resources Research 45

      ページ: doi : 10.1029/2007WR006679

    • 査読あり
  • [学会発表] 湖面におけるバルク係数2009

    • 著者名/発表者名
      宮野愛子・杉田倫明
    • 学会等名
      水文・水資源学会2009年度研究発表会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2009-08-20
  • [学会発表] 衛星データを用いた霞ヶ浦湖面における蒸発量分布の推定2009

    • 著者名/発表者名
      伊倉宏弥・杉田倫明
    • 学会等名
      水文・水資源学会2009年度研究発表会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2009-08-20
  • [学会発表] 湖面におけるバルク係数の決定2009

    • 著者名/発表者名
      宮野愛子・杉田倫明
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2009年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場
    • 年月日
      2009-05-19
  • [学会発表] 衛星データを用いた霞ヶ浦湖面における蒸発量分布の推定2009

    • 著者名/発表者名
      伊倉宏弥
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2009年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場
    • 年月日
      2009-05-19
  • [図書] 水文科学2009

    • 著者名/発表者名
      杉田倫明・田中正・筑波大学水文科学研究室
    • 総ページ数
      275
    • 出版者
      共立出版

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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