本研究では、モデル魚種としてクマノミ(Amphiprion clarkii)・カクレクマノミ(A. ocellaris)およびジャワメダカ(Oryzias javanicus)の3種を用いた。クマノミ・カクレクマノミについては、CO_2と水温上昇が胚発生に及ぼす影響について検討した。ジャワメダカについては、長期CO_2曝露が親魚の成長・生残および再生産に及ぼす影響について検討した。クマノミ・カクレクマノミ胚ともに、1000ppmCO2曝露が発生に及ぼす有意な影響は認められなかった。しかし、高水温で飼育した場合、クマノミでは生残率の低下・奇形の発生が認められた。カクレクマノミでは全くその様な影響は見られなかった。ジャワメダカについては、1000ppmのCO2環境は、測定した全ての項目(生残率・成長・酸素消費量・酸排泄量・産卵数・孵化仔魚サイズ等)に関して有意な影響を与えなかった。
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