研究課題/領域番号 |
21310017
|
研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
兼保 直樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 主任研究員 (00356809)
|
研究分担者 |
村山 昌平 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 主任研究員 (30222433)
大原 利眞 独立行政法人国立環境研究所, アジア自然共生グループ・広域大気モデリング研究室, 室長 (80313930)
|
キーワード | 環境変動 / 環境分析 / 大気現象 / 大気エアロゾル / 黒色炭素粒子 / 炭素同位体 / 長距離輸送 |
研究概要 |
長距離輸送される黒色炭素粒子のサンプリングを実施するに当たっては、土壌粒子に含まれる炭酸塩(CaCO_3)との分離が重要となるため、吸引捕集時にPM2.5での粒径分離が必要となる。炭素系物質濃度が比較的高いと考えられる長崎県五島列島福江島においては、本研究費で購入したPM2.5分級器付きローボリューム・シーケンシャルンプラーを2009年10月に設置し、自動で時間分解能1週間のフィルターサンプル採取を開始した。一方、濃度が低いと考えられる小笠原父島ではハイボリューム・エアサンプラによる大量採気が必要となるため、新たに開発した大採気流量用PM2.5分級器(HVI_<2.5>)の性能評価試験が終了するのを待って、12月より時間分解能1週間でのフィルターサンプル採取を開始した。両地点とも順調にエアロゾル試料が取得できている。 また、夏期の富士山頂において、付近の大気境界層起源のエアロゾルと自由対流圏エアロゾルを、PM2.5分級器付ハイボリューム・エアサンプラ2台を昼夜に分けて吸引用することで採取したが、7月中は風雨や濃霧の悪天候が続いたため良好なサンプルが取得できず、8月のみ4サンプルを取得することができた。 これらエアロゾル・サンプルの炭素同位体分析のため、現在、閉ループ燃焼装置の調整を進めている。また、加速器質量分析計による^<14>C分析も予備的なエアロゾル・サンプルを用いて調整を行っているところである。 また、富士山頂において、大気境界層高度の変動に伴う、CO2濃度および炭素同位体比の日内変動を調べるために、7月末に大気試料採取集中観測を2日間にわたって実施した。しかし、観測局舎の室内空気によるコンタミネーションが生じた可能性があり、2010年度には採取方法を見直して再度実施する。さらに、大陸起源の気塊の輸送過程を調べるために、清浄大気についても測定できるように高感度型に改造した大気中ラドン濃度測定装置を父島に設置し、2009年12月より観測を開始した(冬季~春季のみの実施)。
|