研究課題/領域番号 |
21310017
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
兼保 直樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 主任研究員 (00356809)
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研究分担者 |
村山 昌平 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, グループ長 (30222433)
大原 利眞 独立行政法人国立環境研究所, 地域環境研究センター, センター長 (80313930)
内田 昌男 独立行政法人国立環境研究所, 化学環境研究領域, 主任研究員 (50344289)
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キーワード | 環境変動 / 環境分析 / 大気現象 / 大気エアロゾル / 黒色端子粒子 / 炭素同位体 / 長距離輸送 |
研究概要 |
長距離輸送される炭素系物質濃度が比較的高いと考えられる長崎県五島列島福江島、およびより広域的なアジア性気団の影響を反映すると考えられる小笠原父島において、2009年10月よりPM2.5分級のエアロゾルを1週間の時間分解能で捕集し、2012年3月までのサンプルを収集した。黒色炭素(BC)中の14Cの分析については2010年5月のものまで分析が進んだ時点で、東日本大震災により国立環境研究所の加速器質量分析家が破損し、研究期間内での復帰游が困難となった。一方、BC中のδ13Cについては、2010年1月~12月の一年分の分析が終了した。夏季には-26.0~-24.6‰とほぼ石炭燃焼と自動車排気ガスのフィンガープリントの中間に入ったものが多いが、春季あるいは冬季にはより重い、石炭源燃焼の影響を示す結果が得られた。また、秋季のサンプルで非常に重い炭素同位体を示す結果がとなったのがあり、C4植物燃焼によるものか、あるいは炭酸塩によるコンタミネーションによるものかについて、検討を続けている。 さらに、大陸起源の気塊の輸送過程を調べるため、小笠原父島で実施している大気中ラドン濃度測定については、2010~2011年、および2011~2012冬の冬季~春季データを良好に得ることができた。現在も継続中である小笠原のエアロゾルのδ13C測定の結果、および現在進行中の数値モデル解析と併せて、発生源地域・輸送経路の解明に寄与するものと期待される。
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