研究課題/領域番号 |
21310024
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
重中 義信 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 名誉教授 (60033859)
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研究分担者 |
島野 智之 宮城教育大学, 環境教育実践研究センター, 准教授 (70355337)
洲崎 敏伸 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (00187692)
月井 雄二 法政大学, 自然科学センター, 教授 (20163777)
楠岡 泰 滋賀県立琵琶湖博物館, 主任学芸員 (80359265)
石田 秀樹 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (70201316)
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キーワード | 生態系影響評価 / 生物多様性 / 気候変動 / 地球温暖化 / 原生生物 |
研究概要 |
わが国においては、陸上から淡水海水におよぶ原生動物(藻類を除く原生生物)の分布と多様性について個々の研究はあるが、分類群としてまったくまとめられたことがない。本研究では、おもに日本原生動物学会に所属する様々な生物群・環境を専門とする有志の研究者が協力し、過去の記録に基づく原生動物の多様性に関する現状の把握と、原生生物が日本にどのような環境に何種生息しているのかを明らかにするための全国的な規模の調査を実施することを目的とした。今年度は、日本から記録された全ての原生動物の記録調査のために、調査記録の掲載されている可能性のある文献(図鑑、図説、学会誌、大学の紀要、生物調査報告書など)の収集を行い、これを元に電子データ化を行った。具体的には、1)種名リストの作成、2)生息地リストの作成、3)文献リストの作成、により「日本原生動物インベントリー・データベース」を構築した。次いで、原生動物の多様性の現状についての実態調査を、網走と琵琶湖にスタディーサイトを設定して実施した。網走スタディーサイトが面するオホーツク海は世界で最も低緯度に位置する冬季結氷海域であり、かつ汽水域、湿原を付近に配置している。氷雪の現象により、湿原などが急激な環境変化にさらされている。狭い空間に幅広い傾斜環境があるため、原生生物群集の構造の遷移を俯瞰するために有利なサイトである。一方、琵琶湖は400万年もの歴史がある、世界でも有数の古代湖であり、60種以上の固有種(固有亜種含む)の存在が知られている。原生動物でも多くの固有種が分化している可能性があるが、これまで琵琶湖の原生動物の系統だった調査は行われていなかった。さらに、石垣島における原生生物の生息調査を実施した。また、来年度の本調査に向けて、南大東島における予備調査も実施した。
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