研究課題
今年度も昨年度に引き続き、1)種名リストの作成、2)生息地リストの作成、3)文献リストの作成、により「日本原生動物インベントリー・データベース」を構築する作業を実施した。また、昨年度に引き続き、分類学的基盤整備と多様性の保全を目的とした原生動物の分布調査を実施した。調査箇所は、琵琶湖(10月)と、南北大東島(12月)である。南大東島は、昨年度に予備調査を実施した地点を再訪し、本格的な調査を行った。琵琶湖は昨年度に続いて2度目の調査である。様々な分類群の専門家が、同一地域内の海水・汽水・淡水の湖沼・土壌および寄生性の原生動物の調査を行い、各分類群の専門家が現地について多様性減少モニタリングをするとともに、環境変異が原生動物の多様性減少に及ぼす実態を調査した。琵琶湖の周囲を巡って各地点でサンプリングを行うとともに、船で琵琶湖の内部に乗り入れてサンプリングを行い、多くのサンプルを得ることができた。南北大東島スタディーサイトは、太平洋上に位置する孤島であり、外界から隔離されているために固有の原生生物が生息している可能性があったが、いくつかの地点で非常に原生動物が豊富なサンプルを得ることができ、実際に固有種らしい原生生物を得ることができた。一方、琵琶湖は400万年もの歴史がある、世界でも有数の古代湖であり、60種以上の固有種(固有亜種含む)の存在が知られている。原生動物でも多くの固有種が分化している可能性があるが、これまで琵琶湖の原生動物の系統だった調査は行われていないので、分布調査を継続した。
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遺伝
巻: 1 月号 ページ: 6-10
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巻: (印刷中)
Protist
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