研究課題/領域番号 |
21310028
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
愛甲 哲也 北海道大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (30261332)
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研究分担者 |
八巻 一成 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (80353895)
柴崎 茂光 国立歴史民俗博物館, 研究部, 准教授 (90345190)
庄子 康 北海道大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (60399988)
柘植 隆宏 甲南大学, 経済学部, 准教授 (70363778)
山本 清龍 岩手大学, 農学部, 准教授 (50323473)
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キーワード | 国立公園 / リスクマネージメント / 利用者意識 / 管理計画 / フィンランド |
研究概要 |
国立公園の管理・計画に、リスクマネージメントの概念を組み込んだ新たなフレームワークを提示することを目的とする本研究では、3年目にあたる今年度に以下の調査研究を実施した。 全国の国立公園の自然保護官の調査および国立公園の利用者を対象にした意識調査の結果を詳細に分析し、その成果を、論文として投稿した。同時に、日本造園学会全国大会で自然公園のリスクマネージメントに関するミニフォーラムを環境省などの関係者の同席を得て開催し、研究成果の報告を行った。 さらに、ヒグマと利用者の軋轢が問題視され自然公園制度の利用調整地区が導入された知床国立公園知床五湖地区において、継続して利用者のリスク認識と、制度の導入の許容度を問う意識調査を実施し、制度導入前の昨年度との比較分析を行った。また、大雪山、利尻山における利用者意識調査結果の詳細な分析を行った。 2011年9月には、北欧でいち早く自然公園の有効性評価や、北米で開発された収容力を適用するフレームワークLAC(Limits of Acceptable Change)を公園計画に導入したフィンランドを訪問した。フィンランドでは、国立公園の管理が国から公営企業であるMetsahallitusに委託されており、ヘルシンキ郊外のMetsahallitus本部で、公園計画の担当者と利用者モニタリングの担当者に、リスクマネージメントおよび公園管理全般への取り組みについて、聞き取り調査と資料収集を行った。さらに、Kuusamoの地方事務所を訪問し、ロシアと国境を接しているOulanka国立公園での実情について、現地での調査、関係者の聞き取り、資料収集を行った。 以上と過年度の結果をもとに、わが国の自然公園の計画制度にリスクマネージメントを適用する可能性について、研究分担者らと議論を行い、研究成果全般のとりまとめを行った。
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