研究課題/領域番号 |
21310030
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
栗山 浩一 京都大学, 農学研究科, 教授 (50261334)
|
研究分担者 |
竹内 憲司 神戸大学, 経済学研究科, 准教授 (40299962)
庄子 康 北海道大学, 農学研究科, 准教授 (60399988)
柘植 隆宏 甲南大学, 経済学部, 准教授 (70363778)
|
キーワード | 世界遺産 / 環境評価 / 生態系保全 / 観光利用 / エコツアー / 経済実験 / 環境経済学 / 選択実験 |
研究概要 |
本研究の目的は、世界自然遺産に指定されている知床を対象として、導入される環境政策が自然環境の保全と観光利用とのバランスを取るために有効に機能しているのか、経済学的な視点から分析を行うことである。具体的には、2011年から知床五湖で運用が開始された利用調整地区制度を取り上げ、本制度が利用動態にどのような影響を与えるのか、導入前後の利用動向を比較した。実験経済学におけるフィールド実験(自然実験)と位置付けることで、利用動態の変化から制度の経済学的な評価を試みた。 利用動態データは、現地における聞き取り調査およびアンケート調査、WEBサイトを通じたアンケート調査によって、制度導入前の訪問者の利用動態、制度が導入されていたと仮定した場合の訪問者の利用意向(表明選好データ)、制度導入後の訪問者の利用動態(顕示選好データ)、非訪問者(潜在的な利用者として首都圏在住者を対象とした)の利用意向をそれぞれ聴取した。 本年度は,これら複数のデータの分析を行った。制度導入が実際にどのような影響をもたらしたのかを明らかにするとともに、表明選好データと顕示選好データ、訪問者データと非訪問者データなどを比較し、政策評価の精度に関する手法的課題の解明も試みた。得られた利用動態のデータは、Khun-Tucker ModelおよびMultiple Discrete-Continuous Extreme Value Modelを参考とした新しいモデルの適用を目指し、解析手法の開発も行った。
|