研究課題
本研究では、トランスクリプトーム及びプロテオーム解析を通じて我々がこれまでに明らかにしてきたシグナル伝達系に関わる遺伝子(タンパク質)に関して、様々な化学物質(特に天然試料などの混合物)に対する応答を遺伝子の発現レベルにおいてプロファイリングすることにより、エストロゲンに応答する遺伝子の機能をシグナル伝達経路の観点から包括的に解析し、それらの遺伝子が実際にどのようなネットワークを形成して生理機能へと結びついているかを明らかにする。本年度は以下の研究を行った。(1)エストロゲン応答遺伝子によるシグナルカスケードの同定(平成21年度終了)(2)化学物質を用いた膜共役系を含めた遺伝子応答のプロファイリング(平成21年度から継続)ビスフェノールAに関して、受容体やシグナルメディエーターに対する阻害剤、さらにRNA干渉法を用いてシグナル伝達を解析し、エストロゲン受容体によるジェノミック経路とは異なるGPR30受容体経由のシグナル伝達経路を見出し、学会及び論文発表を行った。(3)ラット脳の分化におけるエストロゲン応答シグナル伝達系の解析(平成21年度から継続)DNAチップ解析によって明らかになったRhoGDIとPKCd遺伝子について、抗体を用いてタンパク質レベルでラット脳(特に脳下垂体視床下部)の性分化との関わりを検証し、学会発表を行った(日本医科大学と連携)。(4)天然試料などの混合物を用いた遺伝子応答のプロファイリング(平成21年度から継続)健康食品に使われている天然物について、シグナル伝達経路に関して解析を行ない、学会などで発表を行った。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (9件)
Environmental Pollution
巻: 159 ページ: 212-218
Tumor Suppressors(Richard Schortemeyer III, ed.)
巻: 印刷中