研究課題/領域番号 |
21310079
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岡嶋 孝治 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (70280998)
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研究分担者 |
河原 剛一 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 特任教授 (20125397)
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / 多数細胞 / 細胞力学 / ナノ計測 / 多変量解析 / レオロジー / 細胞アレイ / 細胞診断 |
研究概要 |
本研究では、多数細胞の力学統計情報と構造統計情報を原子間力顕微鏡(AFM)を用いて多角的に測定し、それらの多変量解析から細胞力学と細胞構造との統計相関を高精度で解明することを目的としており、特に、生命固有の現象である(1)細胞周期、(2)細胞分化、および(3)細胞運動の細胞機能に着目し、これらの細胞機能に対する細胞力学・構造相関を明らかにすることを目的とする。細胞レオロジーのアンサンブル平均とその分布を精密に計測するためには、個々の細胞の個性と実験誤差とを分離することが重要である。細胞レオロジーのべき応答理論を基に、実験データから細胞レオロジーの標準偏差を抽出する方法を開発した。本手法を用いて、細胞レオロジーのアンサンブル計測と時間計測を行い、本手法の有効性を示し、細胞レオロジーにおけるアンサンブル平均と時間平均との関係を解明した。さらに、正常細胞と異常細胞との細胞レオロジーの差異を評価し、細胞周期に対する細胞レオロジーの定量化が可能になった。細胞内に存在する細胞骨格を介して力が伝播すると考えられているが、細胞レオロジーの細胞内伝播に関しては未知であり、その計測方法も確立していなかった。そこで、マイクロポストからなる力センサー基板とAFMを用いて、細胞上部から細胞下部への細胞接着点間の力伝播の周波数特性を計測する方法を開発した。そして、細胞力伝播は、弾性的であり、その伝播方向はプレストレスと類似の方向であることが分かった。
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