研究課題/領域番号 |
21310085
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木村 康男 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (40312673)
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研究分担者 |
平野 愛弓 東北大学, 医工学研究科, 准教授 (80339241)
庭野 道夫 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (20134075)
青沼 有紀 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (80582262)
RAHMAN Mohammad 東北大学, 電気通信研究所, 教育研究支援者 (70620003)
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キーワード | 自己組織化 / 量子ドット / 単電子 / 室温動作 / 陽極酸化 |
研究概要 |
分子デバイスやナノデバイスのような新しいデバイスを集積化するためのプロセス技術の開発が急務となっている。ナノデバイスの集積化のためには、決められた位置にナノ構造体を作製する必要がある。そのためには、位置制御を得意とするトップダウンプロセスと自己組織的にナノ構造を作製するボトムアッププロセスとを組み合わせた新しい微細加工技術の開発が欠かせない。これまで開発してきたボトムアッププロセスとしての固液界面反応場を利用したバルブメタルの陽極酸化過程とフォトリソグラフィ技術とを融合させた任意の位置にナノ構造を自己組織的に作製できるセルフアラインナノ加工技術を実際のデバイスへと応用した。前年度、DCマグネトロンスパッタを用いることにより堆積に成功した緻密チタン膜をパターニングし、単電子トランジスタの作製手法を応用し、その一部を居所的に陽極酸化することにより、その陽極酸化TiO_2ナノチューブを用いたガスセンサへの応用を試みた。その結果、数μmのチャネル長のガスセンサを作成することに成功し、窒素希釈の10%水素に対して二十数倍の抵抗変化を示した。また、mA程度の検出電流が観測され、安価な電流計で十分測定できる検出電流の大きさであった。これらは、陽極酸化TiO_2ナノチューブは、ガスセンサの材料として有望であることを示唆している。一方、これまで開発してきた単電子トランジスタを作製するためのFIBを用いたプロセスは、被災のためFIBが使用できなくなり、単電子トランジスタは作製することはできなかった。しかしながら、本研究結果は、トップダウンプロセスとボトムアッププロセスとを組み合わせたプロセスを用いることにより、ナノ構造体の位置を制御することができることが示されており、ナノ構造体を用いたデバイスの集積化が可能であることを示唆している。
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