研究概要 |
今年度の研究成果として,およそ三点を挙げる。第一に,商店街複合地区である名古屋市大須地区の平成15,20年度調査データを用いて、計画・代替・随時・迂回の諸行動を模擬する歩行者回遊行動エージェントモデルによるシミュレータASSAの妥当性評価ならびに政策シミュレーションを実施した。今年の実験においてもASSAの基本性能は確認されたものの、パラメータ設定などに課題が残っている。第二に,スペース=リンク型エージェントシミュレータSLAS-LSの東海地震注意情報時における調査データの入手に基づいて政策実験版への改良を続行した。第三に,従来の歩行者シミュレータに置かれたメンタルモデル完備の仮定を緩め、メンタル不完備状況における問題解決としての経路探索実験(小規模調査)を試み、歩行者の空間認知-行動メカニズムのモデリングへの手掛かりを得た。また,基礎文献の整理と探索の作業をさらに推し進め,その体系化整理を試みた。
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