研究課題/領域番号 |
21310095
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
曹 徳弼 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30242275)
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研究分担者 |
金沢 孝 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60129393)
稲田 周平 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (60327715)
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キーワード | 需給曲線 / 供給契約 / SCM / 革新的製品 / エージェント / NN法 / 予測市場 |
研究概要 |
まず、NNモデルについてはDCNN (Dynamic Cubic NN)モデルの開発に成功した。具体的には、従来のBASSモデルのアイデアをベースに、革新者層と模倣者層からなる2階層NNモデルを構築し、フィードバックを通じて時間軸上で動的にパラメータの更新を行うことでより精度の高い新製品の需要予測ができるようにした。この成果は現在INFORMATION誌に投稿中である。家電量販店のデータについては予算内で購入できなかったので、シミュレーションを実施することにした。次に、供給契約モデルについては、需要の一様分布を対象にした研究成果を拡張子、ロジスティクス分布に従う需要分布を対象に、生産開始前と生産終了して販売シーズン開始前の二回における需要予測分布の四つの組み合わせに対して最適な生産指示量とオプション購入量、およびオプションの実行量の計算式を導出した。その内、一番複雑なロジスティクス・ロジスティクス分布については解析的に最適値の計算式を導出することができなかったので、近似方法による数値計算方法を取り入れて数値実験を行い、需要の分布が一様分布ではない場合にも対応できるようにすることができた。また、既存の需要予測モデルを現実データに適用するときの問題点を明らかにすべく、コンビニエンスストアの販売量実績データを対象として各種実験を行い、同定と推定におけるデータ使用期間を固定する方法、変化させる方法、固定する方法ではさらに全データ使用と固定期間移動法などに分類したときに異なる予測精度を得ることができ、良い予測モデルであっても応用の仕方によっては悪い結果を出す場合があることを明らかにすることができた。また、NN法についても得意なデータ種類を明らかにすべく実験を行い、完全に無秩序なデータに対しては無力であることが分かった。NNの過学習についてはベイズ推定に基づいたNN法を提案し、その有効性を理論的に示した。最後に、本年度は大量の参考文献の収集とデータベース化、そして予測市場の実験システムの構築を行い、最終H23年度の実験と研究成果の統合に向けて環境を整えることができた。
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